俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

精神病患者

2015-01-07 10:17:13 | Weblog
 通り魔的な犯罪者が、精神科に通っていたと報じられることが少なくない。多くの人は狂人を野放しにすることを危険と考えるだろうが、私は少なからぬ凶悪犯罪者が精神科医によって作られたのではないかと危惧する。つまり治療をしていたにも拘わらず、ではなく、誤った治療をしたから凶悪犯罪者になったのではないかと恐れる。
 躁鬱病という病気がある。精神科医でもあった作家の北杜夫氏がこの病気を患っていたが、躁状態と欝状態を繰り返す病気だ。この患者の多くは欝状態の時に受診し、躁状態で受診することは殆んど無い。医師はほぼ確実に鬱病と診断し抗鬱剤や興奮剤を処方する。この患者が躁状態を迎えればどうなるか、処方された薬との相乗作用で超躁状態になる。そんな時にどんな行動を起こすか医師にも本人にも全く分からない。
 危険ドラッグによる犯罪は多く報じられている。しかし薬(ドラッグ)による犯罪も少なくなかろう。抗精神病薬は脳に異常反応を起こさせる。酒を飲んで暴れる人がいるが、薬の威力はアルコールよりも遥かに強力だ。薬の影響で一時的に人格が壊れて犯罪者になることもあり得る。
 乱暴な人に鎮静剤が使われることがある。これによって周囲の人は安全になるが、本人は単に大人しくなるだけではなく欝状態あるいは無気力状態になることもある。薬の効き過ぎを治すために興奮剤が使われれば気力は戻るが同時に暴力性も戻るだろう。場合によっては当初よりも凶暴になることもあり得る。鎮静剤と興奮剤を交互に使い続けていればいずれ手の付けようの無い狂人になってしまうだろう。
 降圧剤により血圧を下げると脳に充分な血液が届かなくなることがある。「血の巡り」が悪くなればどうなるか?認知症と同じような状態になる。ヤブ医者はこれを認知症と思い込んで有害な認知症治療薬を投与する。本来、病気ではない人に的外れの脳を異常にさせる薬が使われたら脳が狂う。少なからぬ精神病患者が実は医原病患者だろう。

労働力

2015-01-07 09:44:18 | Weblog
 人口の減少と少子高齢化が進む日本では今後、労働力が減るので国力を維持し高齢者を扶養するために外国人労働者を受け入れることが必要と言われている。文化が異なる外国人に頼るよりもずっと簡単で有効な方法がある。高齢者と女性の活用だ。
 現在の高齢者は若い。単に寿命が延びただけではなく健康寿命も延びている。元気な70代も少なくない。但し注意すべきことは高齢者の個人差が非常に大きいということだ。知力においても体力においても、まるで別の動物かと思えるほど懸け離れている。だから高齢者と一括りにすべきではない。定年延長や定年廃止は高齢者を一括りにするから問題が生じる。老いた高齢者と元気な高齢者は分けて考える必要がある。
 老いた高齢者は引退すべきだろう。あるいは、それでも可能な補助的業務に就くべきだ。元気な高齢者は本人が希望する限り働き続けて構わない。充分な経験を積み重ねているから外国人と比べて遥かに優れた労働力になる。元気な高齢者の多くが働かないのは、老いた高齢者と同等に扱われて人を馬鹿にしたような処遇をされるからだ。正当に評価されるなら働く気を起こす高齢者は少なくない。
 日本では能力による差別を否定して年齢による差別を肯定している。確かに年齢は能力よりも客観的な基準ではあるが合理的ではない。こんな差別は身長による差別と大差は無い。むしろアメリカのように、能力以外の差別を総て禁止するほうが妥当だ。
 知的能力はともかく肉体的には衰えがある。高齢者雇用によって最も補いにくいのは肉体労働と思われるだろう。しかし外国人に頼るのではなくロボット化という選択肢がある。最近の工場の機械化はロボット化に近い。
 女性の活用は高齢者以上に必須だ。一旦退職した女性は人材の宝庫だ。雇用条件が悪いから優秀な女性が働こうとしない。
 先日テレビで漁の映像を見ていて疑問を感じた。夫が操船をして妻が作業をしていたからだ。この役割分担は逆さまだ。体力の乏しい妻が操船をして夫が作業をすべきだろう。こんな間違った役割分担から離脱すれば女性が活躍できる場は大きく広がる。例えばダンプカーを運転するのは男でも女でも構わない。技術の高い者が担当すれば良い。機械化やロボット化を進めれば女性や高齢者が作業現場を担当することも決して難しくない。女性や高齢者が安価な労働力として搾取されている現状は全く不合理であり、能力に相応しく処遇されるべきだ。
 高齢者の雇用で私が最も心配するのは、生涯賃金が増えない可能性があることだ。60歳以上の賃上げがあっても60歳未満の賃下げとセットになっていれば、就労期間が長くなるだけで、労働者には何のメリットも無い。