俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

精神科医

2015-06-03 10:16:28 | Weblog
 小学生の頃に軽いノイローゼ(神経症)を患った。今風に言えば不安症候群だ。きっかけは祖父の死と土葬だった。真っ暗な土の中で動けないまま体が腐って行く状況を永遠に続く暗黒と捕えて恐怖を感じた。周囲からも指摘されるほど挙動がおかしかったらしい。幸い自力で快癒できたものの、もし現代のように精神科の敷居が低ければ、抗精神病薬を投与されて医原性の精神病患者にされていただろう。
 ショッキングな出来事があれば一時的な精神の変調は誰にでも起こり得る。しかしこれは自力で克服すべきことだ。薬によって誤魔化すべきではない。抗精神病薬は症状を誤魔化すという機能しか持っておらず、治療効果など全く無い。
 洋服屋には人がハンガーのように見えるそうだ。同様に医師には総ての人が病人に見える。だからどう治療すべきかということにしか関心が向かわない。回復しつつある患者も医師には病人にしか見えない。「無理は禁物」という言葉を使って病人であり続けさせようとする。
 特に精神科医は困ったものだ。本当に病気であれば、たまには薬が効くこともあろう。実際には病気でない人に薬を処方して医原病患者にしてしまうことが少なくない。医師こそ病人を作っている。精神科医によって狂わされて犯行に至った人が一体どれほどいることだろうか?
 医師は精神病を脳の病気だと信じる。だからブラック企業でこき使われて精神に変調を来した人にまで薬物を与えて苦しみだけを取り除く。そんな状況で平気でいられる人こそ狂人であるなどとは思わない。医師がやっていることは狂人作りであって決して正常化ではない。
 草津節にもあるとおり「お医者様でも草津の湯でも惚れた病は治りゃせぬ。」貧困や過酷な労働などは恋の病よりも深刻だ。恋患いのためには若さと馬鹿さと暇が必要だが、生存を脅かす悩みの深刻さは恋患いの比ではない。精神科医は馬鹿の1つ覚えのように薬によって治療しようとする。これは薬信仰の呪術師のようなものだ。彼らは薬以外での治療方法を教わっていないからこそ薬に頼らざるを得ないだけだ。こんなヤブ医者による診断書でも「天の声」になるから厄介だ。「3か月の休職が必要」という診断書があれば企業は逆らえない。こうして新型鬱病患者が大量生産されている。

常識人

2015-06-03 09:39:28 | Weblog
 複数の命題があって初めて矛盾に気付く。「南京大虐殺で30万人が殺された」という命題はそれが単独であれば正誤を判定できない。しかし「当時の南京の人口が25万人だった」という命題があればどちらかあるいは両方が誤りだと断定できる。矛盾に気付くためには豊富な知識が欠かせない。
 非常識な記事ばかり書いているが私は極めて常識的な男だ。常識に従うからこそ常識の矛盾に直面して悩む。私が最初に直面させられた矛盾は生命の尊重と肉食だった。動物を可愛がれという倫理と肉を食べるという食習慣の矛盾を承認できなかった。小学生の間は極力肉食を避けていたが、よく考えてみれば植物食も生命を奪う行為だ。この矛盾については今尚解消できていない。せいぜい絶滅危惧種である鰻と人間だけは食べまいと思っている。こんなことを大真面目に考えているからこそ、キリスト教やイスラム教などにおける食生活上でのタブーの欺瞞性に腹を立てる。
 2+3=5と知っていれば3+2=4という命題を疑う。私の懐疑は所詮その程度のものだ。私は平和を大切だと思う。だからこそ日本国憲法の平和尊重を評価する。私が最も憎むのは憲法を改めようとする人ではなく昔のままで温存しようとする、「護憲」を標榜するイカサマ師たちだ。彼らこそ憲法を劣化させ解釈改憲を可能にした張本人だ。本当に平和を求めるなら曲解を許さないように条文を改善すべきだった。それを妨害したのが彼ら教条主義だった。
 私は従順であり新しい情報をすぐに信じ勝ちだ。だからこそ朝日新聞が認める前に強制連行が嘘であることに気付いた。今でこそ侵略戦争は否定されているが、第二次世界大戦までは、侵略も植民地支配も肯定される弱肉強食が世界秩序の根底にあった。当時の軍隊とは最優先すべき国家プロジェクトだった。そんな大切なエリート集団の元に強制連行したど素人を送るなどあり得るだろうか。当時、売春は合法だったのだから、プロ中のプロ、テクニシャン中のテクニシャンを派遣して、お国のために命懸けで働いている兵隊さんに報いるべきだろう。私が朝日新聞の嘘に気付いたのは私が常識人であり、戦争当時の常識を理解したからだ。
 懐疑主義に陥る必要はあるまい。とりあえず現状での矛盾に気付けば充分だろう。総てが嘘なのではなく、一部で嘘が蔓延しているだけだ。誤った常識を見直せば充分だ。