出典が分からないために正確な話ではなくて申し訳ないが、中国か朝鮮に非常に優秀な将軍がいた。戦えば連戦連勝で敵国からも恐れられていた。ところがある日、任務を放棄して田舎に帰ってしまった。母が重病を患ったからだ。将軍を失った軍隊は負け続けた。
正確な話を知っていれば教えてほしいのだが、大体こんな粗筋だ。これは忠と孝について考えさせられる話だ。将軍は忠よりも孝を選んだがそのために多くの兵士が殺され国は危機に瀕した。私はこれを賢明な選択とは考えない。
こんな話を思い出したのは自民党の宮崎謙介衆院議員が育児休暇を取ると発表したからだ。このことの是非を問うためには議員という仕事をどう位置付けるかが重要だ。もし議員が常在戦場とも言うべき激務であれば寸暇を惜しんで働くべきだろうし、「気楽な稼業」であれば労働者としての権利を行使すべきだろう。
この件に関して谷垣幹事長の発言が興味深い。「出産や育児の休暇は雇用主と雇用されている人との関係で規定されている。国会議員はそういう身分関係と違う。(朝日新聞12月22日)」私は谷垣幹事長とは逆に「そういう身分関係」だと思う。雇用主は国民であり国民が是非を判定すべきだろう。
宮崎議員は育児休暇が夫としての義務あるいは権利であると堂々と主張すれば良い。しかし「公僕として粉骨砕身働く」とは言えない。仕事と家庭の両立という崇高な理想を唱えるべきだ。このことに対して判断をするのは雇用主である有権者だ。
サラリーマン時代「仕事よりも家庭が大事」と公言して憚らない先輩がいた。労務関連の仕事に長く従事していたこともあり、周囲のワーカホリック気味の人々とは多少違った発想をするしその飄々とした仕事ぶりもあって一目置いていた。ところがたまたま一緒に仕事をすることになるや、とんでもない人だと分かった。面倒な仕事は総て他人に押し付けるし徹底的に責任逃れを図る。家庭を大切にする人格者がなぜこんなに卑怯なのかと驚いた。しかし考えてみればこれは当然のことだ。家庭を守るために仕事上では自分を守らねばならない。家庭というegosを守りたいegosistだった。
終身雇用を前提とするサラリーマンと不定期雇用者である政治家は立場が異なる。終身雇用であれば雇用期間中に様々なライフステージを迎える。結婚・育児・介護といった状況に多くの人が遭遇する。企業側が雇用し続けたい人材であればこそ、企業にとってはデメリットであるこれらのライフステージを許容する。要らない人であればこの際、切り捨てたいということが本音だろう。
育児休暇の是非を決めるのは我々ではない。京都3区の有権者だ。家庭と仕事の両立を図る立派な人と考えるなら当選させれば良いし、片手間仕事の無責任な政治家と考えるなら落選させれば済むことだ。これは実際の仕事ぶりを知っている選挙区の有権者が判断することであって、仕事ぶりを知らない余所者がとやかく言うべきことではなかろう。政治家の育児休暇の問題は一般論にはせず、個々に判断すべきでありそれを決めるのは雇用主である有権者だ。
正確な話を知っていれば教えてほしいのだが、大体こんな粗筋だ。これは忠と孝について考えさせられる話だ。将軍は忠よりも孝を選んだがそのために多くの兵士が殺され国は危機に瀕した。私はこれを賢明な選択とは考えない。
こんな話を思い出したのは自民党の宮崎謙介衆院議員が育児休暇を取ると発表したからだ。このことの是非を問うためには議員という仕事をどう位置付けるかが重要だ。もし議員が常在戦場とも言うべき激務であれば寸暇を惜しんで働くべきだろうし、「気楽な稼業」であれば労働者としての権利を行使すべきだろう。
この件に関して谷垣幹事長の発言が興味深い。「出産や育児の休暇は雇用主と雇用されている人との関係で規定されている。国会議員はそういう身分関係と違う。(朝日新聞12月22日)」私は谷垣幹事長とは逆に「そういう身分関係」だと思う。雇用主は国民であり国民が是非を判定すべきだろう。
宮崎議員は育児休暇が夫としての義務あるいは権利であると堂々と主張すれば良い。しかし「公僕として粉骨砕身働く」とは言えない。仕事と家庭の両立という崇高な理想を唱えるべきだ。このことに対して判断をするのは雇用主である有権者だ。
サラリーマン時代「仕事よりも家庭が大事」と公言して憚らない先輩がいた。労務関連の仕事に長く従事していたこともあり、周囲のワーカホリック気味の人々とは多少違った発想をするしその飄々とした仕事ぶりもあって一目置いていた。ところがたまたま一緒に仕事をすることになるや、とんでもない人だと分かった。面倒な仕事は総て他人に押し付けるし徹底的に責任逃れを図る。家庭を大切にする人格者がなぜこんなに卑怯なのかと驚いた。しかし考えてみればこれは当然のことだ。家庭を守るために仕事上では自分を守らねばならない。家庭というegosを守りたいegosistだった。
終身雇用を前提とするサラリーマンと不定期雇用者である政治家は立場が異なる。終身雇用であれば雇用期間中に様々なライフステージを迎える。結婚・育児・介護といった状況に多くの人が遭遇する。企業側が雇用し続けたい人材であればこそ、企業にとってはデメリットであるこれらのライフステージを許容する。要らない人であればこの際、切り捨てたいということが本音だろう。
育児休暇の是非を決めるのは我々ではない。京都3区の有権者だ。家庭と仕事の両立を図る立派な人と考えるなら当選させれば良いし、片手間仕事の無責任な政治家と考えるなら落選させれば済むことだ。これは実際の仕事ぶりを知っている選挙区の有権者が判断することであって、仕事ぶりを知らない余所者がとやかく言うべきことではなかろう。政治家の育児休暇の問題は一般論にはせず、個々に判断すべきでありそれを決めるのは雇用主である有権者だ。