B型肝炎から肝臓癌を発症して、末期を迎えていた友人が逝った。
思い通りの人生を歩んだろうその人は、70歳を過ぎてからは治癒治療を断念していた。もともと70までの人生で設計していたと語っていた、その人は終末期を敢然と死に向かっていった。
遠い故郷に年老いた従姉妹と行方知れずの兄しか縁戚のないその人から、逝去の前後の始末を依頼され、残り少ない資産を託された。
28年間の交誼を経たこともあり、その人の最期に立会い、後始末を行っている。
70歳までに使い果たして逝くのだと言っていた通り、動産資産200万強と35年経過の1LDK53m2のマンションが残されている。
いよいよ、胸水で呼吸が儘ならなくなった5月初旬、後見依頼の自筆文書を提示され、続いて、7月初旬最終入院の間際には、遺言書により向後を託された。
縁戚でもない他人の死とその後の始末を託されて、向後の様々な処理の煩雑さと膨大な困難が思われる。