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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第十五弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は青柳碧人作品3つ、中山七里作品1つ、似鳥鶏作品1つの合計5作品について読書感想文として紹介しよう。
「レジまでの推理 本屋さんの名探偵(2018年4月 光文社文庫 ) 似鳥鶏 56」
終盤までは本当に店長とされた探偵役が活躍する痛快短編連作ミステリーだったのだが、最終話に「え?なにこれ?」という読者を惑わす展開にガッカリ。
そうではないように説明がなされていれば、そんなこともなかったはずなんだけど。
点数は悩んだが前半の貯金で逃げ切ったという感じで。
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「どこかでベートーヴェン(2017年5月 宝島社文庫) 中山七里 70」
「岬洋介シリーズ」の4巻目。
4巻目だけど、またまた時代は前後して岬が高校生の頃の時代のものが綴られている。
ストーリーはいつもの調子だが、ピアノ演奏シーンの描写回数が少ないのでじっくり読み込めるのはいい。
面白い切り口でタネが明るみになっていくのだけど、最終段階で・・・
「え?そうなります?その展開、岬洋介シリーズ内で出てくるから知っていますけど?」
というオチになっていて、ちょっとガッカリ。
ミステリー作品なのだから、同じ手は使わないほうが??
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「ナゾトキ・ジパング (2022年6月24日 小学館 ) 青柳碧人 75」
短編連作集。
ストーリーテラー&主人公のルームメイトである留学生が探偵役。
青柳碧人作品の割には、いつものガッツリ伏線回収があまり強く描写されていないところが逆に読みやすかった。
だけど、ストーリーはそれなり。
猫河原家の人びとシリーズに近いのかな。
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「名探偵の生まれる夜 大正謎百景(2022年12月19日 KADOKAWA) 青柳碧人 65」
短編連作集(全8編)。
青柳氏得意のラストの大立ち回りがある・・・のハズが、その最後の8編目で謎の展開。
期待していただけに、うまく展開していた短編集の7編目までが台無しなのでは?
と思うほど。
前半の貯金でこの評価点にさせていただいたけれど。
ちょっとモヤッとしたかなぁ。
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【今回のMVPは?】
「赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。(2022年10月20日 双葉社) 青柳碧人 85」
死体ミステリーシリーズの3巻目。
3巻目も赤ずきんの一人旅の道中の出来事が綴られている。
この本は出来たら全2巻も読んでいたほうが面白い。
まあ単独で読んでもつながるけどね、でもなぜ赤ずきんが旅をしている理由や探偵役を務めているのかがわかるから、そっちのほうがおススメ。
なお、過去2冊に比べ、本作品はファンタジー要素が強く、個人的にはやや萎えてしまった。
特に、最後の最後に至るシーンでは、
「いやぁ、それやっちゃうと・・・ミステリー要素も薄れませんか?」
という流れだったように思うので。
そもそも童話の世界を借りてミステリーと置換しているから、ストーリー上はありなのかもしれないけど。
まあ、それでもさすが伏線の鬼。
しっかりチャッカリ回収してくれる青柳碧人作品の真骨頂は、バッチリ反映されているのでご安心を。
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