Naked a STYLE (サブログ)

映画レビュー、ニュースネタを中心に、自身のメンタルチックな話題を絡めて、ノージャンルで書き綴るぜぃ~

柚月裕子氏作品の出会いから今までの読書ライフを振り返る

2023年12月31日 23時59分59秒 | ハマった小説の話

【はじめに】


このテーマの片鱗については、既にここの日記でも複数回語ったことがあるため、以降の記録について思いっきり重複することがあるのだけれど、忍耐強い読者様はぜひ、この戯言を含めて最後まで読破していただければ幸いです。


なお、この記録は同氏の作品である「ふたつの時間、ふたりの自分(文春文庫-2023年)を読み終えた時点で、自分も何か綴りたいと考えたからに過ぎないことを申し添えておきます。



【出会いは偶然に】


あれは数年前、近所のブックオフに自分が読み終えてだいぶ寝かせていた推理小説数十冊を処分した時のこと。
かなり年季の入ったボロ本ばかりだったが、古紙回収で出すのは忍びないと考え売却する方向でお店に立ち寄った。


そこでの待ち時間、ふらふらと最近買い取られたコーナーや人気作家だというコーナーに立ち寄ったら、「パレートの誤算(2017年・祥伝社文庫)」という本に目が留まった。


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もともと自分は、「パレートの法則」信者でもあるため、このパレートという単語に引っかかったのだ。
作者名を見ると「柚月裕子」とある。


当時の自分は、かなり偏った本読み者だったこともあり、同氏の作品はおろか存在すら知らなかった。
これも何かの縁だと思い、まずは一冊だけ読んでみようという気持ちで手に取って購入したのがキッカケである。



【衝撃以上の衝撃を受けることに】


もう別ログのレビューで同作品の感想は散々綴っているものの、当時この作品に出会ったという自分が感じたことの大きさは、自分の本読み人生を大きく変えるほど大きな出来事になった。


こんな推理小説作品がまだオレは知らなかったのかと茫然となったことに加え、こんなに無いこと無さそうなバイオレンス交じりの展開に、読むことが止まらなくなったという興味心も自分の胸に湧き上がってくるものを感じた。


その後は御存じのとおり、同氏の作品について、ほぼ全巻を発売日順(発表順)に読み漁って今に至る。
もう何度も語っているが、「パレートの・・・」の次に読んだ作品が同氏のデビュー作「臨床真理(角川文庫)」となる。


その作品については、道中「犯人が分かってしまう」という表現だけが残念ポイントであること以外、今思い出しても吐き気を催すほどのリアルな表現やそうした展開に震えが止まらなかったことを昨日のように思い出す。



【やはり名作は・・・】


なんといっても同氏の作品で、一部映画化もされた「孤狼の血」シリーズが最も名作といえるものだと思う。
(特に”凶犬の眼”という作品は、自身の読書評価でも数少ない100点満点として紹介済みだ)


一作目の物語と予想だにしない大オチは、ただのやくざドラマでも描かれないことに加え、しっかりと推理小説の要素も紛れ込ませている展開に見事であるとしか言いようでない。

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個人的には2作目「凶犬の眼」でも引き続き主人公である「日岡」の生きざまを縦軸に、その周辺にあるドラマを描いていて、バイオレンスなサスペンスが前面にありながら、日岡の人間性を描きつつも推理小説の要素も捨てていない、こちらの作品のほうが1,2作と合わせて読むことで興味深いものとなった。



【そしてなお・・・】


勿論、そのほかにもシリーズ化されたものやドラマ化されたものが多くあるけれど、の作品を読んでいる限り、「孤狼の血シリーズ」の日岡、「佐方貞人シリーズ」の佐方、「盤上の向日葵」の将棋という世界・・・にそれぞれ強い思い入れが柚月氏にはあるようなのだ。


また、作家ゆえの葛藤や両親を災害で亡くした事実と悲しみなど詳細につづられていることから、独特の感性をあらゆる時代で磨かれて今の作風が出来上がったことにもつながっているのだろうと勝手に推測している。


しかし、まだまだ自分は同氏の作品を読むことに欲しているし、また数々の作品で見せてくれた登場人物のそれぞれの表現を自分はまだまだ感じたい・・・つまり飢えていることにほかならないのだ。


 


【さいごに】


あらためてとなるが、40代中盤にして急に読書のスイッチが入り、今まで読んできた推理小説とは異なる鮮やかな展開などに魅了された自分は、読書という貴重なツールを得られたことに対して、この柚月裕子氏の作品に出会えたことに感謝しかない。


また、今の居酒屋ライフやひとり旅との相性がこの読書ライフとピッタリであることも今のルーティーンにもつながっているわけで、重ねてこの作品(パレートの誤算)との偶然な出会いに深く感謝するわけです。




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