フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

瞑想と脳の働きについて

2012年04月25日 08時19分06秒 | 身体・健康・筋トレ

 止観とは、仏教の瞑想のことであるが、大きく二つに分けられる。
 1つは、「止」、思考を止める瞑想、サマタ瞑想。
 もう1つは、「観」、観察する瞑想、ヴィッパサナー瞑想、である。
 
 最近は、脳の血流を観察する方法や神経細胞の電気活動を可視化する方法で、瞑想による脳の働きが解明されてきている。
 
 サマタ瞑想は、脳の言語活動を司るところを止め、脳の活動を自律神経に関わる原始的な部分に集中させる。感情や記憶、時間や空間を把握する部分を停止し、今この瞬間だけを認識するから、世界と自分が一体化してくる。これにより神秘的体験が可能になる。
 禅の瞑想も基本的には、サマタ瞑想である。

 ヴィッパサナー瞑想は、自分の身体や感情の状態を、観察し続ける。これは、お釈迦様の瞑想である。
 この瞑想の目的は、メタレベルの自分をつくることである。メタレベルの自分とは、自分の状態を冷静に客観的に見つめる自分である。
 例えば、ある出来事があってパニックになったとする。その時、冷静に、客観的に、パニックになっている自分を観察する。それにより、自分の感情の流れがわかるようになる。
 パニックになっている自分も冷静にそれを見ている自分も、両方、自分である。二人いるわけではない。だから、メタレベルの自分が強ければ、その冷静さに引きずられて、だんだん冷静になっていく。
 ヴィッパサナー瞑想の目的は、メタレベルの自分を強化し、感情に流されず、冷静さを保つところにある。

 アメリカの女性の脳科学者が、脳卒中になった。言語活動を司る左脳に血の塊ができて脳を圧迫したらしい。その際、自分がどのように変化をしていくのか、脳科学者らしく客観的に分析している。非常に興味深い。
 それは、サマタ瞑想の神秘体験に近い。神秘体験は、霊的なものではなく、脳の働きであることがよく分かる。
 




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