プロップはロシアの昔話を分析し、それらに共通する「構造」を取り出した。
それが、この31の機能である。簡単にメモしておく。
1、家族の成員のひとりが家を留守にする(不在)
2、主人公に禁を課す(禁止)
3、禁が破られる(違反)
4、敵対者が探りだそうとする(情報収集)
5、犠牲者に関する情報が敵対者に伝わる(情報獲得)
6、敵対者は犠牲となる者なりその持ち物なりを手に入れようとして、犠牲者となるものをだまそうとする(謀略)
7、犠牲者となる者はあざむかれ、そのことによって心ならずも敵対者を助ける(ほう助)
8、敵対者が家族の成員のひとりに害を加えるなり損傷を与える(加害)
9、被害なり欠如なりが知らされ、主人公に頼むなり命令するなりして、主人公を派遣したり出立したりする(救援依頼あるいは派遣)
10、探索型の主人公が、対抗する行動に出ることに同意するか、対抗する行動に出ることを決意する(任務の受諾)
11、主人公が家を後にする(出発)
12、主人公が試され、訪ねられ、攻撃されたりする。そのことによって、主人公が、呪具なり助手なりを手に入れる。下準備がなされる(贈与者の第一機能、働きかけ・試練)
13、主人公が、贈与者となるはずの者の働きかけに反応する(試練に対する主人公の反応)
14、呪具が主人公の手に入る(呪具の贈与・獲得)
15、主人公は探し求める対象のある場所へ、連れて行かれる・送りとどけられる・案内される(二つの国の間の空間移動)
16、主人公と敵対者とが、直接に闘う(戦闘)
17、主人公にしるしがつけられる。主人公の身体のどこかに傷を負うのが基本(しるしづけ)
18、敵対者が敗北する(勝利)
19、 発端の不幸・災いないし発端の欠如が解消される(回復)
20、主人公が帰路につく(帰還)
物語はここで終了しても良い。
主人公の帰還。そこで、もう一波乱起きる。
21、主人公が追跡される(追跡)
22、主人公は追跡から逃げのびる(脱出)
23、主人公がそれと気づかれずに、他国かに到着する(秘かな帰還)
24、エセ主人公が不当な要求をする(詐欺)
25、主人公に難題が課される(難題)
26、難題を解決する(解決)
27、主人公が発見・認知される。17でつけられたしるしによって本人であると証明される。(再認)
28、エセ主人公あるいは敵対者(加害者)の正体が露見する(露見)
29、主人公に新たな姿形が与えられる(変身)
30、敵対者に罰が課せられる(処罰)
31、主人公は結婚するか王位につく、あるいはその両方(結婚・即位)