フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

世界は感情で動く パート2-1 メモ

2012年04月06日 19時31分47秒 | 日々の出来事・雑記

 5、基準値の誤り
 私たちは、物事や出来事を確率的な数値で判断することが多い。その際に、生じる誤り。
 数値である確率を表す場合、その条件や基準値があるのだが、それを考慮せず、単に数値を見ただけで直感的に反応してしまうところに問題がある。
 例えば、「燃費リッター30キロメートル」と言われると、その30キロメートルに強く反応するが、どういう条件でその燃費が測られているのか、注意を払うことが少ない。そのため、誤りが生じてしまう。

 6、大数の法則・少数の法則
 サイコロやコインの表裏など、経費と時間が許すかぎり、より多くのデータから平均を求めた方が、真の平均値に近づくことを「大数の原則」という。
 これに対して、「少数の原則」とは、少ないデータで発生した結果を、全体の結果と錯覚してしまう現象である。
 例えば、3試合無安打のイチローと5割を打った新人を、その3試合だけで比較し、イチローよりその新人のほうが優秀と判断してしまうことである。
 結論を急いで、はじめの直感だけで判断しないこと。データが多くなればなるほど結論は変わる。

 7、代表性(典型性)のバイアス
 典型的な性質で物事を判断してしまうこと。
 例えば、黒人居住地は犯罪率が高い、ユダヤ人は金融業についている、日本人はおとなしい、など。

 8、偶然に秩序を見る
 偶然につづいた出来事なのに、そこに秩序や法則を見出してしまうという錯覚。
 一定の地域にたまたま肺がんの発生率が高かったとき、そこに何らかの原因をこじつける。

 9、原因と結果
 AがあるとBという出来事が起こるという経験が続くと、Bの原因がAだと思ってしまう誤謬。
 
 例えば、白い帽子をかぶるとパチンコに勝つという結果が続くと、パチンコに勝つ原因が白い帽子をかぶることだと思ってしまうこと。
 白い帽子をかぶることとパチンコに勝つことには相関関係はあるかもしれないが、因果関係はない。相関関係は因果関係の単なる必要条件の一つである。
 誤謬を表すと、
1、Aの発生は、Bと相関している。
2、したがって、AがBの原因である。
 
 例えば、靴を履いたまま寝ると、頭痛がする。
 したがって、頭痛の原因は靴を履いたまま寝ることである、間違い。原因はアルコールによる酩酊(酔っ払って靴を履いたまま寝る)。 
 もう一つの例。アイスクリームが売れると水死者が増える。
 したがって、水死者の原因はアイスクリームである、は間違い。原因は、夏の暑さである。

10、確実性効果
 人がある現象が起こる確率を主観的にとらえて、確率が0%と100%に近づくと極端に敏感になる。
 例えば、病気にかかる確率を40%から20%にするより、5%の確率を0%にする方を重視する。タバコの禁煙を促進するより、放射能の除染に多額のお金をかけることもこの例である。


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世界は感情で動く パート1 メモ

2012年04月06日 17時09分50秒 | 日々の出来事・雑記

 問題が起こったとき、「直感」で素早く結論を出すことをヒューリスティックという。
 ほとんどの場合、この直感を信頼してもいいが、間違うときもある。
 この間違いは、偏見(バイアス)によることが多い。
 代表性、利用可能性、固着性 など
 
 このバイアスがかかりやすい事柄については、自分の直感を疑うべきである。
 以下、バイアスがかかりやすい事柄について、メモする。
 内容は、「世界は感情で動く」をまとめたもの

 1、予言の自己成就
 個人が自己の予測や願望に沿うような行動をとった場合、社会現象としてその通りの結果が出現すること。
 例、地価が上がると人々が信じることによって、本当に地価が上がる。銀行が倒産するというデマによって、引き出しが殺到し本当に銀行が倒産する。

 2、ピークエンドの法則
 「あらゆる経験の快苦は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まる」という法則
 「終わりよければすべてよし」の法則

 3、コンコルドの誤謬
 イギリスとフランスが共同開発したコンコルドは、途中、開発が終わっても採算が取れないことがわかっていたにもかかわらず、それまで投資した金額が膨大だったため、撤退できず、商用化し、赤字が膨らんだ。
 このように無駄な過去の投資の損失を、もったいないと思い、事業を継続してしまうことを、コンコルドの誤謬という。
 例、無駄なダム建設、「もう800億円使ったから後戻りできない」として、さらに無駄な税金を投入すること。

 4、フレーミング効果
 絵の額縁の「フレーム」のこと。つまり、同じ絵なのに、フレームを変えることで、その絵がよく見えたりみすぼらしく見えたりすること。
 CM効果、商品のラベリング、デザインが、その商品の売れ行きに影響すること。
 また、言葉の使い方で、内容に違いがあるように見えること。例、「このハンバーガーには30%の脂肪が含まれています」「このハンバーガーは70%赤身です」


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物語の構造とその有用性

2012年04月06日 09時04分18秒 | 社会・政治・思想哲学

 一番シンプルな物語の構造は、1、初期状態(欠落) 2、行為 3、結果(充足) である。
 具体的にいえば、1、ペンがない 2、探す 3、見つかる といった感じだ。
 私たちは知ってか知らずか、このパターンでものを考え行動している。
 ハラ減った、食べる、お腹いっぱい。お金が無い、働く、給料をもらう。
 
ただ、たまに自分のやっている行為の意味がわからない
ことがある。
 例えば、今、ここで「ブログを書いているこの行為」とか、である。
 別に私に何が欠けていて、何かを充足しようとしているわけではない。無理やり理由をつけようとすればできるが、どれもしっくりこない。
 
 スピノザは、人間の行為についてこう言っている。
「われわれをして、あることをなさしめる目的なるものを、私は衝動と解する」
 ちょっと、分かりづらいかもしれない。
 つまり、行為は何かを充足させることが目的なのではなく、衝動によって生み出されるということである。
 行為の目的は、何かを充足させるためではなく、衝動だと。
 この衝動が人間の本質だとスピノザは考えている。
 私たちは衝動に突き動かされているんだよ、
というわけである。

 また、スピノザは、欲望とは意識された衝動といい、最大強度の欲望は、より強い存在になりたい、より完全になりたいという欲望であるという。

 そうすると、そのように生きるのが、人間にとって一番幸せな方法だといえる。
 人間の行為は、究極的には不完全な自分を完全に向かわせるように働く、と考えれば、物語はそれに沿った形で作られるのが望ましい。
 1、不完全な自分 2、行為 3、完全な自分という流れだ。

 ここで、完全な自分とはなんだという問題が残るが、それはまた後で検討しよう。

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