稲武には全く見かけない柑橘類。でも同じ愛知県でも、海辺近くの蒲郡や西尾を車で走っていると、庭先や畑の隅に鈴なりになっている甘夏ミカンや夏みかんなど木々をしばしば見かけます。
昨日の暮らしの学校岡崎校での一日講習会は、同校のスタッフの家(西尾市)の甘夏ミカンを提供してもらって、アンティマキの甘夏ミカン使い切り講座を開きました。
各班4人ずつで大きな甘夏5個を使います。まず2個は、まるごと甘夏ジャムに。捨てるのはへたと種と皮の汚れた部分だけ。
洗った甘夏を大鍋に入れ、水をたっぷり入れて3,4回ゆでこぼししながら、柔らかくなるまでゆでます。柔らかくなり、苦みがさほど嫌でないくらいになったらざるにあけて半分に切ります。種を取ってざく切りにし、砂糖を入れて再びに火にかけます。砂糖の分量は、私はミカンの重量の30%。水気がだいぶ少なるなるまで煮ます。そしてフードプロセッサーにければ出来上がり。苦みの残った、新鮮な甘夏の風味たっぷりのジャムができあがります。捨てるところがほとんどないので、2個で、一人200g弱のジャムを5人分もつくることができました。
かぼちゃの煮物のようなこちらは、ピール。3個分の甘夏の皮で作りました。こちらもとにかく手をかけない。皮を適当な大きさに切ったら、ジャム同様にゆでます。沸騰して10分ほどたったら、ざるにあけ、水を流しながら軽くもみ洗いします。これを数回繰り返すことで、苦みがかなり減ります。柔らかくなって、ほど良い苦みになったら、水を切って、砂糖を投入。私は皮の重量の3分の2ほどの砂糖を二回に分けて入れ、煮詰めます。汁が少し残るくらいのところで火を止め、味をしみこませます。このままでも好みの大きさの千切りにしてもみじん切りにしても。低温のオーブンで乾燥させると、甘いおやつになります。ジャム、ピールともに使った砂糖は、国産粗糖です。
新タマネギのサラダには、甘夏の身をほぐしたものにとオリーブオイル、醤油を混ぜたドレッシングをかけて。お皿の向こうにあるのは、レモンカードならぬ甘夏カード風クリーム。甘夏の果汁にくず粉、豆乳、甜菜糖、塩をまず火にかけてよく混ぜ、ドロッとしてきたら、自家製レモンチェロと菜種油を入れたもの。くず粉の匂いが檸檬で消え、甘酸っぱいクリームができます。前日焼いたパンにつけて召し上がっていただきました。
甘夏ジャムとココアパウダーを使ったクッキー。ほんのりした苦みがおいしい。
いつものアンティマキのスコーンに、甘夏ピールを混ぜて焼きました。粉にはライ麦粉も入れました。
作る種類が多いので、時間内に間に合うか心配でしたが、どれも手順は簡単なので、いつもの講習会より早い時間に昼ご飯にすることができました。この日参加してくださった方々の中に、なんとおふたりも「果物の中で一番好きなのが甘夏」という方がいらっしゃってびっくり。岡崎や西尾にお住まいの方で、自宅に甘夏の木があり、その加工法を知りたくて参加したという方も何人かお見えでした。
スタッフの発案で実現したこの企画、好評を博しました。「使い切り」というのは、なかなかいい。来年以降も甘夏の提供が見込める限り、続けたいとおもいます。きょうは、蒲郡まで、毎年恒例の甘夏狩りにまいります。毎年かわらずいただけて、ありがたいことです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます