晴耕雨読とか

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『深海のYrr』 その2

2008年08月21日 | 
昨日今日と、仕事のタイミングで時間があったので、『深海のYrr』(早川文庫)の中巻、下巻をいっきに読了。なかなかおもしろかったです。

ネタバレするとあれなので、ストーリーの詳細は避けますが、最近のSFらしい、かなり現実の科学に近い、、、ように思われる理論とか説を利用しています。

訳者のあとがきによると、もともとの出版国であるドイツでは、エコ・サスペンスとして人気で、出版当時『ダ・ヴィンチ・コード』とベストセラーのトップを競ったと言うことです。

エコ・サスペンス??

ま、エコかどうかはよく分かりませんが、自然科学もののフィクション(つまりSF以外なにものでもない)として、かなりのレベルにあるのでしょう。なんと実在の海洋学者が登場しているそうです。そんなせいもあってかドイツの地球科学者協会賞を受賞したそうです。日本で言うと日本地質学会から表彰を受けた『死都日本』(講談社)のような感じなのでしょう。

個人的には、「アメリカ=世界の覇権を狙う悪」というきわめてステレオ・タイプな構造がなかなか好感というか、やっぱりヨーロッパの人ってそう見てるのかと興味深かったですね。

ちなみにハリウッドで映画化されるそうで、そのあたりがどうなるかがちょっと楽しみです。それにしても、本の帯に「大型映画化決定」とあるけど、いったい大型映画って、、、。ま、分かりますけど、たぶん、、、大きい映画館でやるような大きな映画なんでしょう(笑)。