晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

ケヤキの種子散布

2008年11月24日 | 生き物
家の周りは、まだまだ紅葉の盛りと言うにはちょっと早い感じ。ミズキあたりは色づいて、サクラはどんどん散っているけど、コナラ、クヌギがまだまだなので雑木林全体はうすぼんやりした緑が中心。

散歩中にケヤキのタネを見つけた。葉っぱ付きというか、小枝ごと落ちたタネ。



ケヤキは、小枝ごと切り離して、葉っぱとともに種子を散布するのだ。カエデのプロペラとか、タンポポの綿毛とか、それ専用の器官ではなく、既存の葉っぱを使うのだ。

小枝と小さな葉っぱ2、3枚のコストをかけて、ちょっとでも種子を遠くに散布しようというケヤキに意志が感じられる戦略だ。

このこのにはじめて気がついたのは、たぶん二十歳ぐらいのこと。奥多摩の御岳渓谷を歩いていて、落ち葉の中に小枝ごとのが多いのでよくよく観察したらタネがついていて、ハタと気づいたのだ。

「これは、風散布のひとつのカタチなんだ」と。

この生態はよく知られたものだけど、わたしにとっては、自分で「見つけて」「考えて」、そして、自分なりの「推論」をもった…という意味では、まさに自分の発見なのだ。

当時、もっていた図鑑にはそのような記載はなく、後年、なにかで読んで「ああ、やっぱりそうなんだ」、あたりまえだけどみんな知ってたんだと思った次第。

本を読むのもいいけれど、自分の目と頭で自然を見るのがいちばんおもしろい。