「家は借りて住め。本は買って読め。」
兵庫県が生んだ、偉大な教育者にして児童文学者の、
亡き灰谷健次郎さんの言葉です。
この言葉、別に座右の銘にしているわけではないのですが、
欲しい本があるときに引っぱり出してきて、
ドカドカ買うのに都合がいい。
というわけで、我が家の本棚は常にいっぱい。
置き場に困っては、「これ、面白いよ」と友人に貸しつけ、
会うごとに「あれ、読んだ?」とプレッシャーをかける。
あるいは古本屋で安く買ったつもりの本を、
同じ古本屋に持っていって、もっと安く買い叩かれたり。
…いったい何をしてるのだ?
いま本棚にズラリと並ぶのは、
『小さな会社の作り方』
『起業をするならこの1冊』
『完全ガイド 成功する会社を作る!』
といった起業マニュアル本。
3ヶ月前にどっさり買いこんだこれらの本、
最初はまったくちんぷんかんぷん。
知らない言葉のオンパレードでした。
定款って何のこっちゃ
はぁ、登記…
貸借対照表にいたっては、「ん? チンタイ…?」と
読み方すらわからない。
――それが今ではどうでしょう。
「タイシャクタイショウヒョウ」
すらすら言えます。
内容もすんなり頭に入ってくる。
まぁ、すでに会社を作ってしまったのだから、
「会社の作り方」なる本が、すらすら読めるのはあたりまえ、ですね。
…そういえば、以前に勤めていた旅行会社でも
似たようなことがありました。
2度目の海外添乗先は、ハワイ。
ホノルルのイメージが強いオアフ島ではなく、
活発な火山活動で知られるハワイ島8日間の旅でした。
「ハワイ島・キラウェア火山を歩く」というのが、そのツアーのタイトル。
ちょっとは予習をと、子どもむけの科学本
『火山は生きている』を買ってみたのですが…。
そもそもが根っからの文系人間。
マグマがどうしたって? と、理解不能なまま、
結局ほうり出して、いざ現地へ――。
ハワイ島、いいところでした。
キラウェア火山を真正面に望む宿「ボルケーノハウス」に連泊し、
夜、波の音を子守唄に眠り、朝、小鳥の声で目を覚ます日々。
直径4km、巨大なフライパンのようなクレーター(火口)の底を歩いたり、
月夜の海にとろとろと流れ落ちる赤い溶岩流を眺めたり。
島在住のトレッキングガイドさんの話に耳を傾けながら、
「ほんと、地球は生きている」と実感した1週間でした。
帰国後。
挫折した例の『火山は生きている』をふたたび手にとると、
なんとすらすら頭に入ること。
「さすが。予備知識があると、よく分かるなぁ」
感心してつぶやくと、
「それ、逆です!」
すかさず横から突っ込まれましたが。
――さて問題は、読破しないまま用済みになった
この起業マニュアル本の山です。
どうしてくれよう。
肝心なときは、ちんぷんかんぷん。
でも会社もできて「予備知識」のあるいま、
とってもわかりやすい良本に思えてきて、別れがたい。
困ったものです。
兵庫県が生んだ、偉大な教育者にして児童文学者の、
亡き灰谷健次郎さんの言葉です。
この言葉、別に座右の銘にしているわけではないのですが、
欲しい本があるときに引っぱり出してきて、
ドカドカ買うのに都合がいい。
というわけで、我が家の本棚は常にいっぱい。
置き場に困っては、「これ、面白いよ」と友人に貸しつけ、
会うごとに「あれ、読んだ?」とプレッシャーをかける。
あるいは古本屋で安く買ったつもりの本を、
同じ古本屋に持っていって、もっと安く買い叩かれたり。
…いったい何をしてるのだ?
いま本棚にズラリと並ぶのは、
『小さな会社の作り方』
『起業をするならこの1冊』
『完全ガイド 成功する会社を作る!』
といった起業マニュアル本。
3ヶ月前にどっさり買いこんだこれらの本、
最初はまったくちんぷんかんぷん。
知らない言葉のオンパレードでした。
定款って何のこっちゃ
はぁ、登記…
貸借対照表にいたっては、「ん? チンタイ…?」と
読み方すらわからない。
――それが今ではどうでしょう。
「タイシャクタイショウヒョウ」
すらすら言えます。
内容もすんなり頭に入ってくる。
まぁ、すでに会社を作ってしまったのだから、
「会社の作り方」なる本が、すらすら読めるのはあたりまえ、ですね。
…そういえば、以前に勤めていた旅行会社でも
似たようなことがありました。
2度目の海外添乗先は、ハワイ。
ホノルルのイメージが強いオアフ島ではなく、
活発な火山活動で知られるハワイ島8日間の旅でした。
「ハワイ島・キラウェア火山を歩く」というのが、そのツアーのタイトル。
ちょっとは予習をと、子どもむけの科学本
『火山は生きている』を買ってみたのですが…。
そもそもが根っからの文系人間。
マグマがどうしたって? と、理解不能なまま、
結局ほうり出して、いざ現地へ――。
ハワイ島、いいところでした。
キラウェア火山を真正面に望む宿「ボルケーノハウス」に連泊し、
夜、波の音を子守唄に眠り、朝、小鳥の声で目を覚ます日々。
直径4km、巨大なフライパンのようなクレーター(火口)の底を歩いたり、
月夜の海にとろとろと流れ落ちる赤い溶岩流を眺めたり。
島在住のトレッキングガイドさんの話に耳を傾けながら、
「ほんと、地球は生きている」と実感した1週間でした。
帰国後。
挫折した例の『火山は生きている』をふたたび手にとると、
なんとすらすら頭に入ること。
「さすが。予備知識があると、よく分かるなぁ」
感心してつぶやくと、
「それ、逆です!」
すかさず横から突っ込まれましたが。
――さて問題は、読破しないまま用済みになった
この起業マニュアル本の山です。
どうしてくれよう。
肝心なときは、ちんぷんかんぷん。
でも会社もできて「予備知識」のあるいま、
とってもわかりやすい良本に思えてきて、別れがたい。
困ったものです。