銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

「ナガオカ」の友

2009年06月28日 | のほほん同志Aの日常
●彼女との思い出その1
→学生時代、ゼミ合宿で信州へ。
 寝台列車のお金をケチって、2人でひとつのベッドに寝た。

●彼女との思い出その2
→当時、はまっていた心理学者、河合隼雄氏の講演会へ。
 最前列で身を乗り出して聴く私たち2人に感銘を受けたのか、
 講演後、河合氏の方から握手を求めにきた!

●彼女との思い出その3
→ある日をさかいに大学に来なくなった彼女の家に行き、
 一緒にパンをこねて焼いて食べた。


――そんな彼女の結婚式に招かれたのは4年前のこと。

「ナガオカで式を挙げる」というもんだから、
「はいはい、長岡京ね。京都の手前の」と思ってたら、
なんと新潟の長岡市!

関西からは日本海沿いに特急列車で1日がかり。
いやはや遠かった…。
しかも、道中ずっと気が重かったのは
長岡名物の箱入り「柿の種」と引き換えに
半ば無理やり押しつけられた友人代表スピーチ。

でもやるからには、ありきたりな挨拶ではつまらない。
誰よりも本人にとって、はなむけになる言葉を送ろうと
ちょっと場違いかもと思いながら、
思い出の河合隼雄氏の言葉を引用してみました。

曰く――

結婚とは流れる川に2本の杭をたて、そこに網をかけるようなもの。
2本の杭が近ければ網をかけるのはたやすいが、得られる魚は少ない。
杭が遠く離れていれば、網をかけるのには大変な苦労を伴うが、
獲れる魚は格段に多くなる。

関西育ち、街育ちの彼女が、はるか新潟の旧家に嫁ぐのは後者に近い。
苦労もあるでしょうが、その分、実り多い結婚生活になるでしょう、云々。


あれから4年。

夜、その彼女と久しぶりの長電話。
「夏にはいよいよ旅行会社オープンよ!」と報告。
起業は苦労もあるけど、その分成長できるはず。
あのときの河合先生の話と一緒よね~。

一方、彼女はというと…
夏が終わる頃にはひとり新潟の地を離れ、再スタートを切るそうです。

あらま。
…でも、それもあり、か。
自分の現状、馴染んでいること、それを変えないのはある意味、簡単だし楽。
あえて再び川を渡り、せっかくかけた網をはずす作業も、ときには必要なのかも。

「考えに考えた末の結論は絶対に正しい」
彼女の決断にエールです。

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