「あっ、海…!」
山深い奈良の古刹で、思わず声をあげそうになりました。
その夜は、中秋の名月。
鑑真和上ゆかりの唐招提寺では、
国宝の鑑真和上坐像とともにお月見を――という粋なはからいで、
ふだんは非公開の御影堂がこの夜かぎりの特別公開中。
そこに、海があったのです。
東山魁夷画伯による十六面襖絵、「濤声」(とうせい)。
御簾の向こうの鑑真像をゆったり包みこむかのように、
左右十六面につらなる青い海。
荒波たつ日本海のようにも、
また、のたりうつ南方の海のようでもある青一面の世界が、
月光に浮かび上がっていました。
――それにしても、唐招提寺と海。
不思議なとりあわせです。
画伯はなぜ、ここに海を?
聖武天皇の命を受け、5回の渡航に失敗しながらも、
のべ12年の歳月をかけて、命がけでの渡日をはたした唐の高僧、鑑真。
当時はもちろん船の旅。
真っ暗な夜を幾日、船上で数えたことでしょうか…。
こんな笑い話が落語にありました。
「おてんとうさんと月とでは、どちらがありがたいと思う?」
「月に決まってるじゃねえか。
おてんとうさんは真っ昼間に出てくるが、
お月さんは闇夜を照らしてくれるんだから」
はてしない航海の途中、夜の海原にとどく月の青白い光は、
高僧の心をも慰めたことでしょう。
一説には、過酷な航海のはてに視力を失ったともいわれます。
とするとこの絵は、鑑真の目が最後に映した風景なのかもしれません。
753年、6度目の挑戦にして日本に辿りついた鑑真は、66歳になっていました。
そして10年後、唐招提寺でその生涯を終えます。
日本を目指した鑑真の前に立ちふさがり、5度にわたり行く手をはばんだ大海原。
それは同時に、遠い異国の地に没した鑑真にとって、
ふるさとと自身とをつなぐ架け橋でもあったはず。
――そう自分なりの答えを見つけて、月夜の海をあとにしました。
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今宵、中秋の名月。
あれから1年がたちました。
「天平の甍」として名高い唐招提寺の国宝金堂は、
当時まだ平成の大修理中。
長らくフェンスに覆われていましたが、
今秋、10年ぶりにその荘厳な姿を現します。
銀のステッキ・旅サロンでは落慶法要まもない11月に、
唐招提寺へのツアーを予定しております。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
■銀のステッキ旅行■
TEL 0797-91-2260
(お電話での受付は平日8:30~13:00)
ちなみに昨日から出発したバリ島のツアーでは、今宵、同じ月明かりのもと、
満月と新月の夜にのみ行われる迫力の舞踊「ケチャ」をご覧いただいています。
ご報告をお楽しみに…
****************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
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山深い奈良の古刹で、思わず声をあげそうになりました。
その夜は、中秋の名月。
鑑真和上ゆかりの唐招提寺では、
国宝の鑑真和上坐像とともにお月見を――という粋なはからいで、
ふだんは非公開の御影堂がこの夜かぎりの特別公開中。
そこに、海があったのです。
東山魁夷画伯による十六面襖絵、「濤声」(とうせい)。
御簾の向こうの鑑真像をゆったり包みこむかのように、
左右十六面につらなる青い海。
荒波たつ日本海のようにも、
また、のたりうつ南方の海のようでもある青一面の世界が、
月光に浮かび上がっていました。
――それにしても、唐招提寺と海。
不思議なとりあわせです。
画伯はなぜ、ここに海を?
聖武天皇の命を受け、5回の渡航に失敗しながらも、
のべ12年の歳月をかけて、命がけでの渡日をはたした唐の高僧、鑑真。
当時はもちろん船の旅。
真っ暗な夜を幾日、船上で数えたことでしょうか…。
こんな笑い話が落語にありました。
「おてんとうさんと月とでは、どちらがありがたいと思う?」
「月に決まってるじゃねえか。
おてんとうさんは真っ昼間に出てくるが、
お月さんは闇夜を照らしてくれるんだから」
はてしない航海の途中、夜の海原にとどく月の青白い光は、
高僧の心をも慰めたことでしょう。
一説には、過酷な航海のはてに視力を失ったともいわれます。
とするとこの絵は、鑑真の目が最後に映した風景なのかもしれません。
753年、6度目の挑戦にして日本に辿りついた鑑真は、66歳になっていました。
そして10年後、唐招提寺でその生涯を終えます。
日本を目指した鑑真の前に立ちふさがり、5度にわたり行く手をはばんだ大海原。
それは同時に、遠い異国の地に没した鑑真にとって、
ふるさとと自身とをつなぐ架け橋でもあったはず。
――そう自分なりの答えを見つけて、月夜の海をあとにしました。
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今宵、中秋の名月。
あれから1年がたちました。
「天平の甍」として名高い唐招提寺の国宝金堂は、
当時まだ平成の大修理中。
長らくフェンスに覆われていましたが、
今秋、10年ぶりにその荘厳な姿を現します。
銀のステッキ・旅サロンでは落慶法要まもない11月に、
唐招提寺へのツアーを予定しております。
詳細は下記までお問い合せ下さい。
■銀のステッキ旅行■
TEL 0797-91-2260
(お電話での受付は平日8:30~13:00)
ちなみに昨日から出発したバリ島のツアーでは、今宵、同じ月明かりのもと、
満月と新月の夜にのみ行われる迫力の舞踊「ケチャ」をご覧いただいています。
ご報告をお楽しみに…
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銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
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