マラッカの風吹いた

学生時代・・・

今は、仕方ない、仕方ないの、
でも、でも、30歳になったらツバの広い帽子かぶって
絶対ヨーロッパ！
西欧文化がわたしを呼んでいる～
と勝手な妄想をめぐらせたこともありました

その目標の歳も大きく超えて
なお、ヨーロッパは遠く・・・

やはり最初に踏み入れた場所が悪かった

タイのバンコク
バックパッカー御用達の聖地？
そこには
格安チケットを求め
さまざまな国から、そして日本人も
世捨て人から、学生貧乏旅行者まで
とにかく、ユニークな、いえただのお馬鹿さん？
あらゆる人間のルツボでした

これはハマりました

バンコクを経由して、世界へ飛び立つ若者で溢れていました
そして、各自の旅を終え、約束したわけでもなく
再び、バンコクの、はい「カオサンロード」で会ったりするわけです

で、プラスチックのカラフルでチープな椅子に腰かけ
大いに、自身の武勇伝をひけらかし、
如何に、たいへんな経験をしてきたか、の自慢合戦が始まります

タイの怪しいネオンと騒音
甘ったるい果物の匂い、熱帯の生ぬるい風の中、
真夜中まで嬉々として語られるのです

インドは、ネパールは、アフリカは・・・etc.と話ネタはつきません
そこからひたすらアジア一辺倒の旅が始まりました


さて、この度ひさしぶりに懐かしい風にあたってきました
東南アジア「マレーシア」の旅から昨日帰ってきました

先月、ドイツ・フランスの旅にいました、が
　
そこでは感じることのなかった
「帰ってきた～」の気持ち
何でしょう、もう、ひたすら懐かしい気持ちで満たされたのです
空港に降り立った途端です

「ア～、私やっぱり、アジア好きやわ～」

あの風です、その原因は！
人を一瞬で脱力させる、あのヌメリある亜細亜の風です

お客様にも内緒ですが・・・
いわゆるマラッカの高級ホテルを飛び出し、路地裏の中華街で
一人、ビールを飲みました
無防備な格好の地元の人々が語らう社交場で
人間ウォッチングを肴に

変わらぬ、カラフルでチープなプラスチックの椅子に腰かけ
あの風に吹かれました

う～
旅とは何と素晴らしい、そう思う瞬間とは
こんな場面ではないでしょうか

スミマセン
お客さまをホテルに残し・・・
添乗業務を忘れ、しばし「旅の醍醐味」を感じていたのでした

マラッカの風は、やはり生ぬるく肌にまとわりつき、
そして
「あの頃」の、若気の至り、甘ちゃん、血気盛んな、
ただそればかりの、
でも、何かワクワクすることに敏感な
「あの頃」の自分を呼び起こしてくれました


また頑張ろう・・・
そう思って帰国しました

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