銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

その扉を開けると

2011年02月18日 | のほほん同志Aの日常
年明けより、営業活動の一環で
地元宝塚のお店まわりを続けています。

看板は出ていても中が見えないお店の場合、
扉を押すにはほんのちょっとのエイヤ!がいります。
でも、これがなかなか面白くって。


■ある酒屋さんの扉を開けると…

 一歩はいって、品ぞろえが
ふつうの酒屋さんとは全然違うと感じました。
 
聞けば若夫婦で始められたお店で、
 「私たちが気に入ったお酒しか置いていないんです」と奥さん。
 
 お勧めは?と伺うと、
 「空蔵」なるお酒を出してくれました。

「空蔵」
 ~くぞう~ と読むそうです。

 ある神戸の蔵元さん。
 震災の朝、あわてて蔵を見に走ったら、
 そこに蔵はなく、ただ青い空が広がっていた。
 …そんな経験から生まれたお酒だそうです。
 おちょこを近づけただけで香りに包まれ
 口に含むとふわっと広がりました。
 
 1本、お買い上げです。


■ある雀荘の扉を開けると…
 
 ここは香港か?

 異空間に迷いこんだ気がしました。
  
 時刻は午後のけだるいひととき。
 たったいま美容院から抜け出してきたばかりのような
 素敵なマダム達が雀卓を囲んでいます。
 
 雀荘と聞いてすぐに思い浮かぶ
 煙草のけむりとか、 オジサン達の姿はなく、
 なんだかとっても優雅なのです。

 宝塚の「ジョイラッククラブ」と勝手に名づけました。

  
■ある自転車屋さんの扉を開けると…

「ここには普通の自転車はないんです。
 乗る人の身長、体重、坂のある町に住んでいるのか、
 ふだんの荷物はどれぐらいなのか、
 そんなことを全部お聞きして、
 その人の体と乗り方にあった自転車を
 1台1台お作りしています。」

「ちまたで売っている自転車は、ぜんぶ
 体重130kgの人を基準に作られているんです。
 想定されるマックスに合わせているわけですね。
 その自転車に体重65kgの人が乗った場合、
 単純に言って2倍余分にこぐ力が必要になるんです」

「あなた、コーヒーはお好きですか。
 そうですか、じゃあ淹れてさしあげましょう。
 どうです、美味しいでしょう。
 お宅の会社の近くに、僕のコーヒーの師匠がいます。
 行ってごらんなさい」


■教えられた喫茶店の扉を開けると…

 ドアを開けた瞬間、芳しい香りに包まれました。

「あ、自転車屋さんで聞いてこられたんですか。
 あそこにお出ししている豆は4種類の特製ブレンドなんですよ。
 お口に合ったということは、強いコーヒー、いけますね。
 じゃぁ、これなんかどうでしょう。ケニヤです。」

「へー、旅行会社をされているんですか。
 僕ですか? 旅行、行くには行くんですけどね。
 カフェとコーヒー豆ばかり追いかけてるんで、偏ってますよ。
 パリ、ロンドン、ウィーン、バルセロナ…
 ヨーロッパの街の裏通りのカフェですね。
 あと、豆を追って、コロンビア、グァテマラのコーヒー農園とか…」 

「実は今から午後の便で、上海のカフェ事情を視察に行くんです。
 いえ、3~4日だけですけどね」
 

■とある整骨院の扉を開けると…

玄関に、ぬぎ散らかった靴、靴、靴…。
狭い空間にひしめく巨体の男子学生。

壁には歴代の関学ファイターズ(アメフト)の集合写真がズラリ。

…これには、ちょっと心拍数が上がりました。

というのも、学生時代に好きで
よく観戦していた大学アメリカンフットボール。
昨年、急にマイブームが復活し、
熱戦のプレーオフとなった昨シーズンは
甲子園ボウルをはじめ、何度かスタジアムへと足を運んでいたのです。

忙しそうな先生に資料を渡しながら
チラチラ壁を盗み見ると、寄せ書きも多数。

・○○先生のおかげで4年間、体がもちました。
・先生、ありがとう! また弟がお世話になります!
・故障から立ち直れたのも先生のおかげです。
・試合には出られなかったけど、お世話になりました。

う~む、興味津津です。

そして――

初めて訪ねてから3週間後。
チャンスが巡ってきました。

よそ見していて階段を踏み外し、
…捻挫したのです!

「先生、お願いします」
「アレ? 自分、どこかで見た顔やなぁ…」
「はい!」

念願かなって、ただいま通院中です。

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その扉を開けると、
奥に広がる思わぬ小宇宙。

宝塚でのお店まわり、すっかりやみつきになっています。



▼「ゆずの村、馬路村へふたたび」ツアー報告はコチラ
http://ameblo.jp/arailuka/day-20101110.html

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