全国28の花火業者が日本一をかけて競う、秋田県・大曲の花火大会。
なかでも人気のある競技が、「創造花火」の部です。
各業者の花火師が、テーマを決め、音楽を決めて、
2分30秒のなかでひとつの世界を表現する花火のアート。
今年、その「創造花火」の部で優勝し、
加えて総合優勝にあたる「内閣総理大臣賞」に輝いたのは、静岡県のイケブンでした。
イケブンです、イケブン!!
分からんなりに10年も大曲の花火を見続けていると、
好みの花火業者というのが出てきます。
たとえば、秋田県の北日本花火興業。
丸だけではなく三角やハート型など、「型もの」が得意で、
5年前の大会ではアフロヘア―が空に何度も打ちあがる創造花火、
「えっ!アフロでマンボ?!」で優勝。
またたとえば、愛知県の磯谷煙火店。
ストーリー性のある展開がすばらしく、4年前の大会では
「今夜どこかのBARで ~男と女の物語」で優勝しました。
もちろん、こんなユニークな花火ばかりではなく、
もっと正統派をひた走り、優勝常連である茨城県の野村花火などもあるのですが、
私はどうも優等生は苦手。
やはり、遊び心あるものが好きなようです。
なかでも好きなのが静岡県のイケブン。
数年前に見た、イケブンの創造花火が衝撃的でした。
より華やかに、よりカラフルに…となりがちな創造花火にあって、
その年のイケブンは、花火での発色が難しいとされる水色だけで
創造花火の2分30秒を構成したのです。
表現したのは、雨だったか、空だったか…。
群青色の空に、しずくのようにこぼれ落ちる水色のイメージだけが、鮮烈に残っています。
その年の水色に象徴されるように、イケブンの花火はつねにチャレンジングでした。
だから、審査員の目にはアラも映るのか、わたしの記憶には強い印象を残すのですが、
優勝、準優勝からは縁遠かったのです。
そのイケブンの今年の創造花火は、「宇宙誕生! ビッグバン現象と華麗なる星々」でした。
光、音、色、…花火のすべてを味方につけて、宇宙が生まれる様子を描いていました。
イケブンのチャレンジここに完成せり、というほど、完成度、高かった!
勝手に応援してきたものですから、もちろん嬉しいのですが、でも
チャレンジングで未完成なところを愛してきたものとしては、内心ちょっと複雑なのです。
さて、来年もイケブンはチャレンジングでいてくれるでしょうか。
できれば来年も、王者の地位に安住することなく突拍子もない技術にチャレンジして
大コケしたりしてくれると、もう私のイケブン熱はここに極まれり。
たまらないシンパシーを感じそうです。
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