添乗なら添乗、受付なら受付、または企画手配のみ担当。
そんな分業のしっかりした大手旅行社ならともかく、
小さな所帯の銀のステッキでは、ありとあらゆる業務がまわってきます。
やはりそのなかで得手不得手はあるもので。
記憶も性格もやることも大ざっぱな私にとって、いちばん苦手な業務は、
最近増えてきた宝塚歌劇のチケット手配のメール対応かもしれません。
公演日は?
公演時間は?
席種は?
枚数は?
個々にチケット手配を伴うケースもあれば、
銀ステでまとめてチケット確保している場合もあって、
ただでさえ煩雑なうえに、人気公演のチケットです。
ぜったいに間違えてはならないプレッシャー。
ふだんはこの業務に手慣れたスタッフにまかせっきりなのですが、
今日、彼女は添乗。
というか行楽シーズン真っ盛りで、わたし以外は全員添乗。
全国から続々とメールで寄せられるひっきりなしの問い合わせに、頭はパンク寸前。
昨夜のうちに寄せられたチケット依頼メールに2時間ほどむきあっただけで、
もうあかん…。
どっちゃり疲れ切ってしまったのでした。
メールが、苦手なのです。
送信ボタンひとつで、ぱっと一瞬で相手に届いてしまう。
開けると無機質に文字が並んでいてる。
しかも、メールは迅速に返事をするもの、ということになっている。
ようやっと返信したと思ったら、また受信箱にポン!
そのスピーディーさ、ムダのなさ、言いかえれば曖昧さを許してくれない部分、
さらにはエンドレスさがどうも苦手で、
仕事ではもちろんメールは使うのですが、日常ではだんぜん、手紙ORハガキ派。
メール対応に一日追われ、今日はくたびれたよ~、と思いながら帰宅すると、
手紙が一通、届いていました。
消印をみると、もう10日近く前。
郵便受けのちょうど死角に落ち込んでいたようで、1週間も前に届いていたことになります。
差出人は、以前こちらが不作法を重ねて、お叱りを受けたこともある人。
またお叱りかも。
しかも一週間も放置している。
横にらみしながらもなかなか開封する勇気が出ず、
とりあえずごはんをすませて、お風呂にも入って、
やることすべてやって、あとはもうふてくされて寝るだけでOKという状態になって
布団にもぐりこんでから…。
まずはおもむろに、前のお叱りの手紙を引っぱりだしました。
――あれ、まちがってはる?
今回と前回とでは、わたしの住所の部屋番号が違います。
でもきっと、私がテキトー書いたに決まってる。
5年も住んでて、203号か204号か、まだうろ覚え。
つぎに、封筒をあかりに透かしてみました。
ぼやんと一か所だけ、たんぼ、の文字が見えました。
田んぼ?
でも、田んぼ、とあるからには、お叱りではないかもしれません。
ようやく思い切って開封したら、その文字は、
「田んぼ」ではなく、「湯たんぽ」でした。
は~、夜もどっちゃり疲れました。
でもアドレス(住所)違いでも届き、一週間放置してもまあOKで、
中身もぼんやり透けてしまう、このおおらかさ。
やっぱりわたしは手紙が好きです。
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