「桜が散るとまた桜の一年が始まるもんです」
とTVのインタビューに答えて話すのは、
京都の桜守、十六代佐野藤右衛門氏
咲いているだけが桜ではなく、
散っては葉桜になって実を結び、夏の盆が過ぎると幹が成長し、
秋には紅葉し、冬にはじっと新芽の準備をする、
そのすべてがあってこそが桜の一年
桜が咲くのが始まりで、散って終わりと思っている人が多いですが
桜は葉が出て一年の始まり、花が咲いて終わり集大成です
一年のうちで満開と言えるは、たったの5日
「あんたの都合で桜は咲かへん」
残りの361日も、桜は同じようにそこにじっと立っている
散った後の桜を眺め上げたことはあるでしょうか
冬場に、桜の木は・・・と気にかけたことはあるでしょうか
私の答えはノー
いつ咲いて、いつ散るか、その5日のみが勝負だと思っていました
藤右衛門氏に笑われるでしょうね
そんなことに気付かせてくれたのは、
銀のステッキで最後の日帰り桜バス旅行となった
京都「京北しだれ桜の郷」
ご存知の通り、今年は桜が早く、5日前に下見に行った時すでに葉桜
困った、困ったと会社で悶々と悩んでいると、センパイからの一言
「佐野藤右衛門の言葉知ってる?」
「本当の桜好きは、咲いた時じゃない、散った後の姿を愛でることができる人やって
今年は皆さんも各地でいろんな桜を見てこられたと思う
だから今回は、その集大成で、桜の最後の姿を見て
桜にありがとうと言う御礼参りよ」
・・・!
その夜、必死で佐野藤右衛門氏の言葉を読みあさりました
「桜が散った後の姿を見て、あー残念や、つまらない、と思うと
その人の人生もつまらないし残念なもの
咲いたらどんな姿やろうか、花はどんなに美しいやろうかと
思えるかどうかやと思います」
当日は冷たい雨の中の葉桜
満開を見たかった、惜しかった、いろいろな感想があって当然
それこそ、旅、です
(左が黒田百年桜)
でも、私は、
その潔い姿が、格好良かった!
散って終わりではなくて、これからが始まり
スタートを切った桜に一番早く出会えたのですから
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