ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

久しぶりに国芳です。(NHK「浮世絵ミステリー」)

2021-06-08 14:52:00 | 日記 国芳
久しぶりに国芳です。
2016年から2017年にかけて,国芳のことをたくさん書いていましたが,
久しぶりです。

6月4日 NHK BSプレミアムで
「浮世絵ミステリー 歌麿 国芳 ヒットの謎 江戸 メディアの闘い」
がありました。

歌川国芳に限って書きます。
とはいえ,
この番組は,浮世絵師 対 幕府(?)
というか,
絵師が,幕府の規制とどう対抗したか,に重点が置かれているため,
国芳の武者絵とか,
国芳たちは,うけたかったんじゃないの?儲けた?
とかいう点はほとんどありません。

歌麿には寛政の改革
国芳(というか,国芳やその弟子たち)には天保の改革
といった視点が中心です。

その天保の改革で,
株仲間が解散され,
30軒の版元が浮世絵を独占していたのに,
10年間で,140軒に!
うちわ問屋なども参入してきます。
そういえば,国芳の絵のうちわは展覧会等でたくさん見たことがあります。
(神戸市立博物館 「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」など)
幕府は浮世絵の版元の力を弱めようとしたのに,
逆に浮世絵は活性化します。

おもちゃ絵やすごろくなども流行ります。
(以前,明石市立文化博物館で「江戸の遊び絵づくし」,面白かったです。)

もちろん,風刺では,
国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」は詳しくこの番組で解説していました。
この絵も,そうですが,
風刺絵は,時に絵が絵師を離れ?
一人歩きします。不満をもつ庶民が,想像し,噂します。
「源頼光公館土蜘作妖怪図」は自主回収。

国芳には,隠密がつけているそうですが,
出版停止処分にすれば,かえって,人気が上がるということもある,
というようなことを書き残されています。

そして,安政江戸地震
国芳たちは,
『安政見聞誌』という絵が入った記録を残しています。
しかし,2か月後,江戸城の門を描いた(もちろん地震で壊れた)ため,
出版停止になります。

この『安政見聞誌』
早稲田大学の「古典籍総合データベース」ですべて見ることができます。
くずし字のかな文字がわかれば,だいたい読めます。
ちょっと,長いので,少しずつ読んでいます。

最後に,
私の国芳グッズです。


エコバックとメモ帳は,雑誌『和楽』の付録,
国芳の猫又は,
神戸市立博物館 「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」
のガチャポンであてたもの。
ファイルは,
兵庫県立歴史博物館「五大浮世絵師展」で買ったもの,
ちなみに,ファイルの中は,
上に書いた『安政見聞誌』の江戸城の門です。


コメント (2)
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英雄たちの選択「よっ!国芳~江戸っ子に愛された浮世絵師~」

2017-10-06 14:15:33 | 日記 国芳
久々の国芳です。

去年は神戸市立博物館で「俺たちの国芳 私の国貞」を見ました。
兵庫県立歴史博物館では「立体妖怪図鑑」という特別展があり,
その中で「源頼光公館土蜘作妖怪図(みなもとのよりみつこうやかたつちぐもようかいをなすず)」を見て,のめりこみました。
今年明石市立文化博物館では「オバケ絵大博覧会」があり,
「源頼光公館土蜘作妖怪図」に再会できました。

昨日の英雄たちの選択は,その国芳でした。

このブログでも「源頼光公館土蜘作妖怪図」については何度も書きました。
昨日の英雄たちの選択でも,「源頼光公館土蜘作妖怪図」が中心(後半で)になっていました。

ただ,国芳の予想以上に評判になり,
国芳たちの身が危ないと考え,
版元は自主的に絵を回収した,版木も削ったといわれている,
という話は昨日の英雄たちの選択ではありませんでした。
(兵庫県立歴史博物館「立体妖怪図鑑」14ページより)

「亀喜妙々(ききみょうみょう)」
・・・亀のようだけど,役者の顔・・・
は,あまり売れなかった,とどこかで聞いたような記憶があるのですが,
これについても,触れられていませんでした。(記憶違いかもしれません。)
でも,これって,ちょっと気持ち悪いと思うのは私だけではないと思います。

そういえば,
国芳って西洋画も描こうとしたんですね。知りませんでした。
西洋画風の忠臣蔵ってやっぱりヘンでしたね。

国芳大好き!の私ですが,
この番組では,少々,国芳を持ち上げすぎのような気もしました。
国芳は風刺することよりも
売れることを基準にしていたのではないかと思います。


が,版元が名前を削り,上から木を置いたという
表に出なかった浮世絵
(国立歴史民俗博物館蔵の版木から絵をパソコンで再生)

すると
クジャクがどか~んとあり,鳥が飼われ,ぜいたくで(江戸城イメージ)
少年の様な人物が,きれいな女性に囲まれている絵
(名前はついていないのでしょうか?)
磯田さんが「丸裸にするよりも・・・。」といった絵は
風刺中の風刺
将軍家定と思われる人物は長袖ものを着ています。
(つまり,武芸をしない人,僧侶や貴族のような人,統治能力がない)
さすがにこれは出版したらおしまいでしょ。

こんな絵は知りませんでした。


前半では,出演していた方々が
国芳の一押しの絵を紹介していましたが,
国芳のド派手な誇張された武者絵も楽しいです。

さあ,去年の図録をもう一度見ようっと!



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日曜美術館「熱烈!傑作ダンギ 国芳(くによし)」

2016-09-14 14:43:49 | 日記 国芳
もう国芳は終わりにしようと思ったのですが,
11日日曜日朝,
日曜美術館「熱烈!傑作ダンギ 国芳(くによし)」
がありました。

いつものように,リアルタイムで見られないので,
ハードにとっていたものをさっき見ました。

ゲスト3人と司会の井浦さんまで加わって,
国芳ダンギ!
特におもしろいというかかわいい(すみません)というか,
アートディレクターの祖父江慎さんの国芳談がよかったです。

NHKのホームページを見ていただくとわかるのですが,
「金魚づくしぼんぼん」が好きという祖父江さん,
擬人化された金魚をいとおしそうに話すだけでなく,
金魚が持っていたのが,うちわではなく,金魚すくいの網と知り,
新しい発見に大喜び!
さらに,金魚が手を引いているのが,かえるで,
かえるが持っていたのがうちわではなくオタマジャクシとしり大興奮!

ぞぞっとするぐらい怖いというか恐ろしいというか・・・
それは井浦さんの崇徳上皇
何年か前の大河ドラマ「清盛」で崇徳上皇を演じた井浦さん,
参考にしたのが国芳の
「百人一首之内 崇徳院」
私,以前見ました。井浦さんの崇徳上皇・・・すごかった・・・。

私の一番のお気に入り
「源頼光公館土蜘作妖怪図」の話や風刺の話はありませんでしたが,

国芳を見て,本気で楽しんでもいいんじゃない?!?
と思えました。

ちなみに,9月25日午後8時から再放送されるそうです。
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浮世絵と風刺画

2016-09-05 09:43:12 | 日記 国芳
今日の記事は,主に
南和男『幕末江戸の文化 浮世絵と風刺画』から書いています。

国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」については,この前書きました。
この作品を以て,幕末風刺画の最初とするのが通説だそうです。

嘉永期の浮世絵については,
「浮世絵の絵そのものを楽しんだのではなく, 
 時事的なもの,風刺的なものの要素が加味されたことが評判となり,非常な売れゆきとなったもの」
が多いようです。

その中で私のお気に入り
国芳画「きたいなめい医難病療治」(嘉永3年,1851)
美人の名医を真ん中に,
美しい足の悪い女性,御殿女中の大尻,一寸法師,近眼,鼻なし,ろくろ首,歯痛など難病を治療している風刺戯画です。
6月に板行となったこの絵は,7月に,
女中の大尻は大奥の女中で「御守殿のしり迄つめる」という判読の評判がたち,
売れに売れて,摺がまにあわないという状態になりました。
近眼は,老中阿部伊勢守正弘だー鼻の先ばかりが見えて遠くが見えないという意味
といった具合に・・・。

その後,
文久のはしか絵
(文久2年(1862)当時,江戸町方人口約50万人のうち,2万人余りが麻疹,及び,コレラ等で死亡)
鯰絵(無断出版物)
(安政2年(1855)10月2日安政の大地震
 震源江戸湾,マグニチュード6.3と推測
 死者13万2400人余人,負傷10万1000人余人:『地震年代記』)

鯰絵に関しては,
先日行った,「江戸遊び絵づくし」にもありましたし,
歴博の特別企画展「阪神・淡路大震災20年 災害と歴史遺産」2015年
にも展示されていました。
これは,網干の廻船問屋・加藤家が江戸で買って帰ったものでした。

などなど

そしておもしろいのが,
歌川広景画「青物魚軍勢大合戦之図」
(安政5年(1855) 全国的にコレラ大流行
 生もの特に魚が全く売れず,野菜は高騰)
ぱっと見た感じは,青物と魚の争い,
でも実は,一橋派と南紀派の抗争を表しているのです。
蜜柑太夫は紀州出身の14代将軍家茂だそうです。

これらの浮世絵は,
早稲田大学の「古典籍総合データベース」で見ることができます。
かなりアップにして,細かく見ることができるので,おもしろいです。





 
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行ってきました! 明石市立文化博物館「江戸の遊び絵づくし」

2016-08-29 15:11:57 | 日記 国芳
行ってきました! 明石市立文化博物館「江戸の遊び絵づくし」
8月26日金曜日,私の“国芳シリーズ,最終回?”のつもりで行ってきました。

まずは1階,
「ふしぎなからだー合体・あべこべ・顔三つ!?」のコーナー
思わず,見入ってしまう。

「みんな大好き♪おもちゃ箱」のコーナー
まるで,今の幼児雑誌の附録のよう!
着せ替え遊び・・・ではなく,着せカツラ(?)あそびや
線を切って組み立てていくとおひな様になったり・・・。

1階のコーナーを出る時,
博物館の人に尋ねました。
「天保以降ばかりですか?」
だって,1階のコーナーの遊び絵は,天保から明治のものばかり
ちょっと今,天保の改革に凝っているので,
ー改革と関係があるのでは・・・。
 改革で美人画や役者絵が制限されたから,他の分野に広げたのでは?-
と思ってしまったのです。
博物館の人は「そうですね。」とは言うものの,その時はそれ以上の返事は返ってきませんでした。

2階に上がり,
「よって,たかって,こしらえる」のコーナーを見て,
「幸せをはこぶラッキーアイテム」のコーナー
“有卦絵(うけえ)”の登場
縁起のいい福助や・お福が登場し,福に通じる“ふ”で始まるめでたいものが集められているのです。
国芳の「有卦福曳の図」は,
福禄寿が福草履・布巾・風鈴・・・と34もの“ふ”がつくものをひっぱっています。
やっぱりね。
前のブログで書いたけど,
福禄寿は水痘症かもしれない・・・,不具は福につながる・・・
そうなのかもしれません。

と,見ていたその時,先ほど1階で質問した博物館の方が来られて,
「先ほどの方ですよね,学芸員を呼んできます。」
と,学芸員の先生を連れてきてくれました。

その方は,
・多色刷りの版木をあわせる技術の向上
・町人の経済的ゆとりなどから,
江戸時代終わり頃になって,遊び絵的な浮世絵が大量に作られたことを話してくれました。

そして,
浮世絵は,いわゆる悪所(歌舞伎小屋・遊郭吉原)の前で売っていたこと。
1枚はかけそばやうどんぐらいの値段だったこと。
丁稚も休みの日に浮世絵を買ったこと。
地方から出稼ぎに来ていたこともあり,江戸の浮世絵が地方にも広がったことなど話してくれました。

そういえば,国芳の浮世絵って細かいですよね。
小さな文字がいっぱい書かれているものもありますしね。
相当な技術がないとできませんよね。

その後も,判じ絵など見ていたのですが,
時間はいくらあっても足りません。
おもしろくて,あっという間に時間がたってしまいます。

このブログもきりがないので,このくらいにします。
全部で,155の浮世絵のうち,国芳はなんと42枚でした。(たぶん)


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