ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

差出帳,検地帳,年貢上納通(じょうのうかよい),年貢免状

2022-07-27 14:46:26 | 日記 地域
今日は
たつの市立龍野歴史文化資料館
脇坂家龍野入封350年記念 夏休みキッズミュージアム
「お殿様の台所事情」に行ってきました。
とはいえ,キッズにはかなり難しいと思います。
でも,子どももクイズはついついノッテしまうかな?
かく言う私も,大人向けクイズ(「お殿様からの挑戦状」)に答えて,
じゃ~ん!マーカー等をもらってきました♡     
大人向けクイズは,けっこう凝っていて難しかったです。

チラシに「昔のお金がたくさん見られるよ~!」と書いてあった通り,
お金,特に藩札をたくさん展示していました。

でも,私のお気に入りは,タイトル通り,「差出帳、検地帳、年貢上納通、年貢免状」
それぞれ年代は違うのですが,同じ中垣内村(なかがいちむら)の「差出帳、検地帳、年貢上納通、年貢免状」が展示されていました。
(私はこの地名を知らなかったのですが,
ネットで調べると,中垣内村は,現在のたつの市揖西町の一部でした。)
差出帳(展示には「差出」「指出」両方の字が使われていました。),検地帳,年貢免状は資料館や古文書のテキスト等で見たことがあるのですが,
年貢上納通はたぶん初めて見たと思います。

各自からおさめられた年貢の記録です。

江戸時代の年貢は村単位,
年貢の割り当ても,年貢納入も,田畑の維持管理も村単位。

あらためて,思い知らされました。

さ,またまたコロナがすごいし,
(いえいえ,これまでになく・・・
2022/7/27 13:20神戸新聞NEXT「兵庫県のコロナ新規感染者数、初の1万人超に」)
あとは,家でおとなしく,今日撮ってきた中垣内村の古文書を読んで勉強しましょう!
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諸色高直

2022-07-14 11:44:45 | 日記 地域
物価が上がっています。
この前上がったところなのに,また値上げです。
私の給料は上がらないのに・・・。

ところで,
地元の史料,
新しくした船に関しての「諸扣(ひかえ)」(明治2年(1869年)9月)です。
その一部,
「覚」
百三拾石船・・・等々,棚なども含めて,金弐百両
と書いてはいますが,その後続けて,
「外四拾両  諸色高直候付増」
大工の棟梁に支払われています。
幕末維新の頃ですから,物価高騰はすごかったと思います。
でも,200両と書いているのに,ほかに40両かかったというのですから,すごいインフレです。
それとも,見積もり自体がいい加減なのでしょうか。


『図説 日本史通覧』(帝国書院 2014年初版発行)の
197ページ(「開国」)のグラフによると,
米価は,(1石あたりの価格 単位:匁)
1857年が100,1861年で170ぐらいかな?,1865年になると400ぐらい,
1866年頃950ぐらいになり,(1866年江戸・大坂で打ちこわし,と注釈)
1867年で890ぐらい・・・
ひえ~!
ただ,この米価は,どこの米価であるか,この資料には書かれていません。
江戸と地方とでは,かなりの価格差があったのではないかと想像しますが,わかりません。

グラフは,1867年までしか載っていませんが,・・・
思い出しました。
うすくち龍野醤油資料館(2020年11月)

「天明後米一俵価格表」 東京深川正米市場
明治以降にまとめられたのでしょう,すべて,円・銭換算になっています。
(1857年=安政4年,1861年=文久元年,1865年=慶応元年,1866年=慶応2年,1867年=慶応3年)
信憑性はどの程度あるのかわかりませんが,
幕末維新期,米価高騰はわかります。

さて,現代・・・
昨日は「山陽新幹線「のぞみ」など値上げへ」(NHK NEWS WEB)
今日は「すかいらーくHD ガストなどでメニューの約5割 順次値上げへ」(NHK NEWS WEB)
スーパーで売っている食料品もなんだか値上げばかり。
パンも値上げしたし,食用油は何回上がった?
いつものコーヒー,一袋の量が減っていますけど!
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7月の一コマ

2022-07-04 11:08:17 | 日記 本
雨をくだされ,おぉてんとう!
の祈りが届いたのか,昨日から雨が降ったりやんだりしています。

網干の田んぼを潤す,蟠洞川(ばんどうがわ)の今日です。

ちなみに,

昨年11月の蟠洞川(ばんどうがわ)です。

こうやって並べてみると水量の違いがよくわかります。
2日の土曜日には,前回写真の麦畑をコンバイン(?)で掘り起こしていましたが,
特に変化はありません。
他の水が入っているのに田植えしていない田んぼも変化ありません。
もともと,晩稲の田んぼかもしれません。


現代と江戸時代を行ったり来たり(?)しています。

江戸時代の農村風景が知りたくて,児玉 幸多『近世農民生活史』を図書館で借りました。
予想通り,年中行事も書かれています。
また,挿絵もいいです。
『耕嫁春秋』から取っているそうですが,
農業をしたことがない私には,雰囲気がつかめるような気がします。

ところが,『近世農民生活史』はもともとは昭和22年の本。
序論では,まず出てきたのが「牛馬のごとく」という言葉。
そして「連帯責任制度・監視制度・密告制度」
私が中学・高校で習った日本史そのままです。
農民は「年貢を生産するために働いていた。」ともあります。
また,村に関しては,
「村法があり郷例があり,それにそむけば村八分その他の制裁を受けた。」
「八分を受けることは,ほとんど生活できなくなることを意味していた。
水利や入会の権利を制限されることはもとより,結(農民が相互に協力する「結」というものが古くからあって,農繁期に助け合うことが行われてきた。(208ページ))が拒絶され,物資の交換が許されなくなることは,直接に生産に関係することであった。」(252ページ~253ページ)

このような考え方に対して,
田中圭一は『百姓の江戸時代』(もともとは2000年の本。2022年6月文庫化)のなかで,
「江戸時代は厳しい封建社会だったのか?」と疑問を投げかけ,
「法や制度・触書を基本において江戸時代を考えること自体にあやまりがある」(31ページ)とズバズバ述べています。

田中氏の論述には,かなり極端なものがあるとしても,
この間約50年の間に歴史の見方がかなり変わったことには違いないと思います。
4月に書いた,
渡辺 尚志氏の江戸時代の「百姓」に関する本。
『言いなりにならない江戸の百姓たち: 「幸谷村酒井家文書」から読み解く』
『百姓の力 江戸時代から見える日本 』
『百姓たちの水資源戦争 江戸時代の水争いを追う』
からも,50年前との違いが感じられます。

「農民」と「百姓」も気になります。

この違い,
庄屋日誌など地域における古文書の研究がすすんだからではないか・・・
と私は考えます!!!  
ということで,今回はここまでにします。    

といいながら,おまけ
最近読んだ本から,(おもしろかったので)

速水 融『歴史人口学で見た日本』
「宗門改帳」特に,天領大垣藩預り地その中でも安八郡西条村の史料を中心に,
また,「庄屋日記」も参考に人口調査をしているという部分が一番興味がありました。
西条村の「宗門改帳」は,安永2(1773)年から明治2(1869)年に至るまで,
1年も欠けることなく残っていて,
一人一人について何年にどこに出稼ぎに行ったとか,帰ってきて結婚したとか,子供を産んだとか履歴書を作っていく。
人口構成,人口の増減がわかる。
出稼ぎ奉公に行く年齢,行先もわかる。
男子では,京都,名古屋,大坂の順,女子は名古屋,京都,大坂の順に多いらしい。
江戸は無視してもいいくらい少ないそうだ。
出稼ぎしても,帰ってこないことが多い。
都市に出たものは,都市で死ぬことが多いらしい。
「商家に奉公すると屋根裏部屋にすし詰め状態になって住むことになり,健康であるわけがない。
病気が流行すれば直ちにうつってしまう。
都市の奉公というものは同時にそういう危険もはらんでいた。」(130ページ~131ページ)
農村で溢れた人口は,都市が吸収し,その都市では死亡率が高い。
といったことも,書かれていました。
もちろん,この本には,ほかにも,幕府の調査による全国の人口変動等についても書かれています。
大学の先生は学生を使って調査できるとはいえ,すごい労力!!!です。

  さらにおまけ (7月6日)


コメント (3)
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