ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・45

2014-03-04 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 毎日同じ夜の営みが行われている。ゲームをする者が多い。ベッドの上で横になって考え込んでいる者、マガジンを読んでいる者、雑談している者様々だ。ぼくのように毎日、日記を書いている者は他にはいない。テレビは画像を流してはいるが見ている者は誰もいない。早くスタッフを入れたいのだがネットの中でスリランカ人がトランプゲームをやっていていつ終るか分からない。昨夜のように停電でもしたら最悪だ、一度だけでも粉を入れておきたい。トイレでやるのには不安がある。鍵はないのだからいつ人が来てドアーを開けるか分からない。ディクソンは仲の良いインド人とバラックの奥トイレでチェーシングしていて捕まった。スニッフなら何とでも誤魔化せたのにトイレに火とアルミホイールを持ち込んで二人でやるなんて考えられない。確かにその夜ディクソンはぼくにダークブラウンの小さな塊りを見せた。
「チャラスか オピューム?」
「いやスタッフだ」
スタッフはパウダー状態だとぼくは思い込んでいた。
「どうして使うんだ?」
「チェーシングだ」
この大部屋で火を使い数分間チェーシングするなんて不可能だ。だから奴らはトイレに行ったのだ。
 毎日通路で寝ているがあほくさくてやってられない。食器一揃いを買って一人でやっていけばお金はそんなに必要ない。野菜にしても石鹸などの生活用品、ビリ、スタッフも自分の分だけ用意すれば良い。だがここで孤立するのは避けたいという気持ちがあって出来ない。新しくスリランカ人のキタが入って来てぼくらのグループは8名になった。トマト、オニオンを各2kg買っても一週間も持たない。食事時インド人やアフリカンが野菜を貰いに来るとディクソンの馬鹿は適当にやってしまう、その上 more want と言う。そうして奴らから何を助けてもらっているというのかオンリー・ギブでテェィクがない、ギブだけでは成り立たないのだ。その事によって自分達がやっているドラッグを見て見ぬ振りをしてもらいたいのか。アフリカンも人のことは言えない事情がある筈だ。自分はドラッグをやらないからといって密告すれば逮捕された者が逆にアフリカンの組織をゲロする。刺せば刺し返えされる共同体なのだ、お互いという事ではないのか。


朝 海へ様子を見に行った 強風、波浪注意報は出されていなかったが海面を風が奔っている
向かい風だ 自転車が進まない 通称タンク前を左へ曲がるとSさんが竿をだしていた
どう あかん 今呑み助が帰ったばい そりゃ良かった 会わないですんだ
帰りスーパーに寄って一人用パック くじらのベーコンとねぎとろを買った 晩酌用だ
コメント
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