ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅        遠い道・・・・・20

2014-03-26 | 4章 遠い道・逃亡

中卸はメインバザールの卸元ではあるが、単なる中継点でしかない。中卸が常時、持っているスタッフの量は50gから多くて100gくらいだろう。ぼくがフィリップスやフレッドに50g、100gを頼むと必ず数日間は待たされる、卸元へ引取りにいくのだろう。卸元はやはりインド人ではないか、ぼくはそう思っている。一度、デリー郊外のシーク教徒の豪邸に行って取引きをしたことがある。応接室に案内されるとテーブルの上にスケールが置かれ、ダンボール箱からスタッフがスプーンでビニール袋に入れられ計量された。ダンボールを見ると50gは何と微々たる量だろうかと思った。その後、数㎏入りのダンボールを何個も見せられ、ぼくは度肝を抜かれた。そんなぼくを見て彼らは笑って、欲しければ何㎏でも売ってやる、何時でも連絡してくれ、と言われた場景を思い出した。
 デリーはドラッグの巨大な集積地であり供給地でもある。それにジャンキー達は吸い寄せられる。必要なドラッグを入手するとジャンキー達は危険なデリーを離れる、そしてまた帰ってくる、ぼくもそうだった。ブリティッシュ系国だけインドではビザを必要としない。暑くなれば北へ行き、寒くなれば南下してくる。パスポートの記録は1回の入国スタンプだけだ。そして何年でも滞在が出来る。刑務所内にブリティッシュ系ジャンキーがいなかったのは、そのビザ優遇制度があったからではないだろうか。ぼく達にはそれがない。インドを中心にしてネパール、パキスタンやタイ等へ行き戻ってくる、その都度、出入国スタンプが押される。ぼくはカトマンズとデリーを往復していた、その事によってインド大使館からマークされ逮捕に繋がった。同じ様に逮捕されたのはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン等だった。訪問国のスタンプを集める旅行者でもパック旅行をしていたわけではない、パスポートを増ページしたのはぼくのミスだ。残りページ数が少なくなったり、損傷や汚れが酷ければ在外大使館は再交付してくれる、そうすれば以前の記録は残らない。新しいパスポートで入国ビザを申請すれば初めての入国として記録される。


雨は昨日の午後から断続的に降り続いている たまらん
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