本当のご馳走

　先日入院中の友人を見舞った。病院の食事が美味しいと聞いたことはないが、彼女曰く「スープがもう少し温かかったり、パンも熱々の香ばしいトーストだったりすればもっとたべられるんだけど・・・」ということだった。もちろん病院スタッフは忙しいのだから仕方ないのだが、思えば、病気のときこそ、食べたい物をおいしく食べられなければならないのではないかということに気づいた。寒気のするときは極上の握り寿司より、熱々の雑炊のほうがご馳走だろうし、胃もたれのするときは、すき焼きより湯豆腐がありがたい。
　本当のご馳走とは、そのときに食べたいと思う物をおいしく食べられることではないだろうか。病院でも、機内食の原理など応用して、もう少し、温かい物は温かく、冷たい物は冷たく食べられれば、回復の度合いも随分違ってくるように思う。ついでに、飛行機内のように美男美女が、食事サービスしてくれればなお良いような気もするが、これに関しては、退院を拒否する患者が増える可能性もあるので、ちょっと考えものかな・・・

安曇野の楽園から