若者に無為な時間を
今「若さ」が蝕まれている。本来「若さ」は、敢えて何もしない、という無為な時間を自分の意志で作れる貴重な時期のはずである。しかし、現代の若者は一心に携帯端末の画面をみつめ、いっときの享楽や、経済的に有利な未来を得るためにひた走る。
若い起業家は注目の的となり、<wbr></wbr>手本として追随しようとする者も多く、<wbr></wbr>無為な時間は益々削り取られていく。<wbr></wbr>若くして起業するのは決して悪いことではない。<wbr></wbr>起業することにより、良い出会いがあれば、学校などより、<wbr></wbr>はるかに多くを学ぶ機会に恵まれるだろう。しかし、<wbr></wbr>困難を乗り越える力を養うには無為な時間が不可欠だと思う。
無為な時を過ごしていると、自分の内面に目を向けざるを得ない。<wbr></wbr>その行為が生きるための礎を作り、<wbr></wbr>挫折や絶望から立ち上がる原動力になっていくのではないだろうか<wbr></wbr>。
東日本大震災から1年、復興を担う中心は、<wbr></wbr>全国の若者たちである。<wbr></wbr>彼らにとって社会情勢は今も厳しいことに変わりはなく、就職・<wbr></wbr>進学などで必ずしも自分の望みを得られないかもしれない。<wbr></wbr>しかし、それは人としての価値を貶めるものではない。<wbr></wbr>そのことを心に刻むためにも、若者には「無為」<wbr></wbr>な時間を大切にして欲しい。
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