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2013年に出版された「現代中国の宗教」の5章「キリスト教と現代中国: 上海におけるプロテスタント教会にみる信仰と政治」(立命館講師村上志保)を見つけて目を通した。著者が中国に滞在し、直接調査・取材を行なった貴重な新しい資料である。そこに二つの注目すべきことが記されていた。

 それは一般的にほとんどの中国人プロテスタントが、聖書に対して逐語的な信仰を持つ、保守的な人たちであるということ、これは他の所でも指摘*されている点で、この村上志保氏の章で確認されている。もう一つは、普通の信徒が公認の教会員であっても「あるべき信仰」を心がけており、その「信仰深さ」を「霊に属する」(コリント前2:14, 15)姿、中国語で「属霊」と呼んでいること、そしてその語は時に体制に協力的な公認教会を批判する微妙な言葉になるということだった。

公認の三自愛国教会では、国家建設の事業に協力することにキリスト教信仰との矛盾を見ていないが、国家や政治とかかわることは「この世」的ではないかと見るクリスチャンにとっては「属霊」ではないと映り、この語は大きな緊張をはらんでいるという。

2003年SARS流行時、上海で礼拝が停止され、それが4月末から5月末までひと月以上に及ぶに至って、信者たちから不満が出たことが報告されている。

書籍名
川口幸大、瀬川昌久編「現代中国の宗教 --- 信仰と社会をめぐる民族誌」昭和堂 2013年。5章はpp. 102-128.

* ユー・スイヤン「中国語聖書翻訳の歴史の概観とその現代への影響」、日本聖書協会編「国際聖書フォーラム2006講義録:今、聖書を問う」日本聖書協会 2006年 所収。

沼野治郎「現代中国語訳の聖書 モリソン訳から改訂和合本聖書に至る翻訳史」せせらぎ出版 2014年。


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