2023年9月に注釈付きのモルモン書が初めて出版された(英文)。原題は The Annotated Book of Mormon で、本文に丁寧な注釈が脚注の形で施されている。「改めて新鮮な目でモルモン書を読むことができる」、「この聖典に真剣に取り組みたい人に是非推薦したい」などの感想が寄せられている。
このモルモン書の内容と特徴を簡単に紹介すると次の通りである。まず本文が内容の面から段落毎に区分して印刷され、そこに見出しがつけられていて読みやすくなっている。また散文と韻文が見分けやすく組まれている。
本文に加えられた内容として、1 モルモン書各書の序論、2 他の聖典との間テキスト性(intertextuality) を勘案した、行き届いた注、3 1828年のウェブスター辞書が適宜参照されている、4 周到に考慮された関連評論が数点後部に収められていることをあげることができる。
特徴としては、オックスフォード大学出版から出されていることからモルモン書が宗教書(聖典)として英語圏で公認されつつあるという意義があり、付随して出版の水準・読者の期待に応える立場にも立っている。それで学術的な側面が見出されることを末日聖徒は知る必要がある。
しかし、編者の信仰的立場は尊重され、書評を書いたBYUのジョシュア・シアーズによれば編集・執筆したグラント・ハーディはいわば客人を招く主人(ホスト)であり、この本は会員外の読者に送られる使節と言えるのである。
シアーズは、「モルモン書の複合的な成り立ちや豊かな宗教性を新たな視点から理解したいと望む人に、この本を是非推薦したい」と書評を結んでいる。私もこの「注釈付きモルモン書」を入手した今、学ぶ喜びが倍加して新しい宝を手にした青年のような気持ちでいる。
参考: Joshua M. Sears, “The Annotated Book of Mormon Edited by Grant Hardy,” BYUStudies Vol. 62, Issue 4 (2023). Joshua M. Sears is an assistant professor of ancient scripture at Brigham Young University. He earned a PhD in Hebrew Bible from the University of Texas at Austin.
経典に
舞う聖徒たち
NJさんにハーディーさんのことを教えてもらい「モルモン書を理解する」を購入しました(Kindle版)
英語は赤点クラスに苦手ですが翻訳機能でスラスラ。
ハーディーさん監修の「注釈付き モルモン書」すごぶる評判いいみたいですね。
ただ。。装丁の糊付けが甘かったり、Kindleのリンクが機能しなかったりで二の足を踏んでいたところです。
Kindleでリンクが機能しないのは痛い!
なんか、白人社会の物作りはツメが甘いとうかいいかげんというか。。内容は素晴らしいのに惜しい。
Kindleのリンクというのは、私にとって未経験の領域ですが、書籍も場所を取りますから、これからの媒体なのだと思います。改善されることを願いますが、この本の場合やはり分量の問題でしょうか。