The Annotated Book of Mormon
2023年9月に注釈付きのモルモン書が初めて出版された(英文)。原題は The Annotated Book of Mormon で、本文に丁寧な注釈が脚注の形で施されている。「改めて新鮮な目でモルモン書を読むことができる」、「この聖典に真剣に取り組みたい人に是非推薦したい」などの感想が寄せられている。
このモルモン書の内容と特 . . . 本文を読む
[モルモン書に戦争の記述が多いことについて]
モルモン書はニーファイ書から始まって終章のモロナイ書まで戦いの記述が多く、読者を苦労させます。そして、なぜこれほど多くのページを割くのだろうかと思わせます。
このことについてBYUの故ダグラス・フィリップス教授(古典が専門、日本に伝道した)とジョン・W・ウェルチが解説しているので、紹介します。参考にしてください。
1 「深い . . . 本文を読む
[書評と紹介]
末日聖徒の現状 (日本) を分析した最新の好著 評者 沼野治郎
書名 “UNIQUE but not DIFFERENT - - Latter-day Saints in Japan” 「日本の末日聖徒を理解する」(英文のタイトル: 「個性的、されど特異にあらず - - 日本の末日聖徒」)。著者、高木信二、コナン・グレイムズ、メーガン・レイノ . . . 本文を読む
日系アメリカ人の末日聖徒で、学者、著者として知られたメリッサ・W・井上が4月23日、結腸癌で亡くなった。享年44歳。
彼女はハーバード大学で博士号を取得し、ニュージーランドのオークランド大学で教鞭を執っていた。カリフォルニア州で育った彼女は日系・中国系4世のアメリカ人で、日本で伝道したディロン・井上の姪にあたる。
彼女の関心は、平和、人種差別、女性の果たす役割、民主主義などで著書を多数残してい . . . 本文を読む
以下、メモとしてこのblog を使用The potency of DNA evidence can be seen by the sudden retreat of the church. The Lamanites have gone from being principal ancestors to being somewhere among the ancestors of the Amer . . . 本文を読む
以下、箇条書き風ですが、最近数カ月のコメントを見て私の望むところを記してみます。--- --- ---
モルモン書など聖典や教会の教え、そして教会のあり方を批判的に(critically)見ることは問題ありません。 JSの見神やBofMの歴史性(historicity)に疑問を感じて、信じられなくなった人の . . . 本文を読む
聖書やモルモン書の本文が、年月の経過と共に改訂されて変化が見られることがある。
それは文言の範囲から文章にわたることもある。これは本文批評 textual criticism が扱う分野で、ここでは改訂の理由を二つの点 - - - 1 基づく本文の違い、2 社会の変化に対応 - - - から取り上げてみたい。
本文批評は古代の元 (original) 写本が存在しない現在、現存するできるだ . . . 本文を読む
モルモン書が昭和訳(佐藤龍猪が明治訳を改訂したもの)から平成訳に改訂された経緯を箇条書きで、私沼野治郎が関与した範囲で記します。
改訂作業の時期・・1991年~1995年(平成3年~7年)
改訂の所管部署・・1991年東京管理本部 翻訳課、1992年以降米教会本部翻訳部
1991年当時、東京の管理本部長は北村正隆で聖典改訂プロジェクトマネージャーを兼務した。この . . . 本文を読む
聖書ほどではないが、モルモン書も「字義通りの直訳調」のものから「意味を移すことに重点をおいた敷衍訳」まで、幾つかの版が出始めている。ただ、聖書の場合と比べてあまり知られていない上に入手しにくい状況にある。以下、簡単に紹介してみたい。
[聖書の場合。KJVは左の方、字義通りの訳に近い。]
1 「モルモン書」1981年版。
現在、教会が公式に認めているもので、1981年に著作権が確定されて . . . 本文を読む
経済学者であり末日聖徒である高木信二氏は、「モルモン学レビュー」誌10号(2023年2月)に「資本主義と分配の正義 :ある経済学者(モルモン教徒)の瞑想」と題して評論を掲載した。以下、彼の論文を敷衍要約する形で短く紹介したい。
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しばしば民主主義と不可分と見做される資本主義 - - . . . 本文を読む