京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

中原淳一さんの本

2016-06-21 17:09:02 | ひとりごと


少し前に、目上の知り合いの方から中原淳一さんのこんな本をいただきました。

ちょうど断捨離をなさっていたらしく、着物の本なのでと私にくださったみたいです

中原淳一さんというと、私は「昭和のレトロな感じの女の子のイラスト」
「ぬりえ」のイメージでした。

そんな感じなので、恥ずかしながら そして失礼なことに中原淳一さんのこと
詳しく知りませんでした


きっと、この本が本屋さんに並んでいても、自分では購入することはなかったのではないかと思います。



この本の初版は2005年で、既に10年前ですし、中身も昭和のころに書かれた絵や文章の中から
えらんで、再編集したもののようです。
原本に忠実に旧字や旧仮名使いを、訂正したり加筆したとのことで
確かにイラストは中原さんの独特の世界でレトロな感じですが、
読んでみると、着物について書かれていることは、今もそのまま通じることで
私の胸にストンと落ちました。




たとえば「着物と洋服の違い」について
ちょっと勝手にまとめてしまいますが、こんなことが書かれています。

洋服は曲線と曲線を縫い合わせて、その中に体を入れてゆくもの。
ボタンを留めたり、ファスナーを留めたりして身体の曲線の美しさが生まれ
それ以上手を加えることがない。

それに対して、着物は全部直線で縫い合わせてあり、肩にかけただけでは着られない
そこで、何本かの紐で体に形よくしばりつけていくのだけれど
その時にどうしても曲線に平面を沿わせるのだから、シワが出る。
そのシワをいかにうまく寄せていくかが着付けの一つのコツであると。

スタイルのいい外国人は、洋服で体の曲線を見せようとし、
日本人は直線である和服の作り出した曲線で姿を美しく見せようとする。

洋服は、デザインの良しあしが問題だけれど
着物はすべて同じ形であり、それをどう着付けるかによって
若々しくなったり、スポーティーになったり、粋になったり、まったく別の雰囲気が生まれる。

着付というのは、不思議なもので
和服における着付けは、洋服におけるデザインと同じ役目をしている・・と。

この「着付は洋服のデザインと同じ・・」という言葉に感動しました

この言葉に着物の良さや面白さが凝縮しているような気がします。

形が同じだからこそ、着方によってその人の個性が出るし
年齢にかかわらず、長ーく着ることができます。


まさか男性なのに、こんなに着物について、そして着付けや着方に詳しいとは・・・
そして、おっしゃることがとても的を得ている・・

このほかにも頷くことがたくさん・・

頂かなかったら、この本たぶん読まなかっただろうな・・・と思うと
下さったYさんに感謝です



最後までお読みいただいてありがとうございます
ブログランキングに、参加しております
応援のクリックをしていただけると嬉しいです。
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装(教室・業者)へにほんブログ村


「帯展」今度の日曜日までです。
お待ちしております

京呉服わきホームページも、ぜひご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする