ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

日記詩 「収穫」

2012-05-29 14:27:31 | 日記
  「 収穫 」

         
小雨ぱらつく園庭を はさみ片手に
小躍りしながら年長組さんたちが
向かいます 裏門近くの 菜園に

10年ほど前に作られた菜園
きゅうり、なすび,じやがいも、ゴーヤ…
所狭しと植えられています

今日は三度豆の収穫です
「左手で豆をやさしく押さえて
右手でそっと切るのですよ」

赤ちゃんをさわるように豆を押さえ
園児達は次から次へと切っていきます
鼻歌までちらほら聞こえます

「小さいのは取っては駄目よ」
まだまだ大きくなるから
その時取ろうと仰る川野先生

農薬は使わない 害虫も素手で取る
春に蒔いた種が 紫色の小花をつけ
それが散ったあと実がついた三度豆

「後でゆがいて食べようね」
「わぁい やったー」
先生もニコニコ 園児達もニコニコ

収穫の喜び溢れる菜園です
植物への思いやりがもたらした
最高の贈り物です 先生の真心です

                         

                         
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日々ひどくなっている現実 詩 「うらぎり」

2012-05-29 10:39:06 | 日記
 「うらぎり」

          

「愛してる 君のすべてを!
困難を一緒に乗り越えようね」

やさしく ささやいてた 貴方が
突然 言った 「さよなら」

「母さんがさ 駄目だってさ
丈夫な赤ちゃん産め無いからって」

嘘だよね 冗談でしょう?
死ぬまで一緒だって 言ったよね

どうなるの 私の心は?
これから 何を信じればいいの?
 
福島にいたことが どうして
別れる理由になるの? ひどい

胸が張り裂けそう 
誰を怨めばいいの?

                           
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詩 「無念の花」 あれから一年経ちました。 

2012-05-29 10:28:03 | 日記
「無念の花」           
 

あたり一面 黄色い花
菜の花畑のように見えます
咲誇っているように見えます
でも私は 咲いてはならない花でした

私は冬キャベツ
あなたの食卓で喜ばれる筈でした
お好み屋さんで大活躍する筈でした

ビタミンCやUが 豊富で
ロールキャベツや トンカツの付け合わせに
薬の名前にもなりました 胃腸を整えると

津波で家が流され 人も、車も流されたのに
私たちは踏ん張り この地に生き残りました
なのに 進入禁止地域に指定されました
原発の放射能を一杯浴びたからと 誰のせい?

親子3代続いたキャベツ栽培
7500個の私たちは放置され
悲しみのあまり 自ら命を絶った御主人
泣く泣く この地を離れた ご家族

私たちは放射能の雨を浴びるだけ浴び
誰からも見向きもされないまま
黄色い花になりました 
恨みの花 怒りの花 無念の花に 
   
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