ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

文明の衝突 - 11 ( アメリカ、中国、韓国に関する知識 )

2019-10-21 12:12:56 | 徒然の記
 思想、文化、民族、宗教等の違いで、国内が分断されている例を、氏の著書から紹介する前に、今の私が知っている、深刻な分断国家について書き出してみます。日本のマスコミと出版物が、教えた事実ですから、氏の著作との比較にもなります。
 
  1.  アメリカ
  アメリカは世界に対し、自由、平等、人権尊重と、声高く主張し、これに反する国々を激しく非難する。韓国や中国人が、彼らの国で、慰安婦問題で日本を攻撃するとき、この捏造の活動を黙認しているのは、米国人の多くが、自由、平等、人権尊重を、日本が無視していると考えているからである。
 
 しかし米国は、建国以来自国内で、克服しがたい人種差別問題を抱えている。それが黒人問題で、彼らはここに触れられることを忌避し、世界のマスコミも、この問題はあまり記事にしない。黒人と白人の対立は多くの良心的な米国人にとって、奴隷制度のあった過去も、現在も、そして未来も、国を分断する深刻な問題である。米国人の多くが、人種差別を乗り越えようと、渾身の努力をしている。
 
  2.  中国
 習近平氏が公言したように、中国は今、漢民族の歴史を取り戻し、栄光の過去を再建しようとしている。中国は多民族国家で、56 の民族で構成され、このうち漢民族は人口の約91%と圧倒的多数を占めている。残りの 55 民族を少数民族と呼び、彼らが居住する地域では、自治の原則に基づき、5 つの自治区、30 の自治州、123 の自治県が設けられている。
 
 14億人が住む中国でなので、少数民族と言っても、他国と比較すれば一つの国の人口に匹敵する民族が沢山いる。しかもその民族は、資源の豊富な広大な土地に住んでおり、中国政府は彼らの土地を漢民族のものとするため、工夫を凝らしている。多数の漢民族を移住させ、軍事力を使い自治区の指導者を追放したり、殺害したりしている。
 
 新疆ウイグル自治区、チベット、内モンゴルなどがその例だが、日本のマスコミは全く報道致しない。少数民族は、宗教も違い文化も異なっているため、いつ武力衝突が生じるのか、誰にも分からない。漢民族が少子高齢化となりつつある現在、今後の中国がどうなっていくのか。経済だけでなく、深刻な国内分断の予測がある。
 
 3.  韓国
  大統領が交代するたび、刑務所に入るという不思議な文化を持つの韓国は、「日本叩き」をすれば、国内が一つにまとまるという、おかしな国である。2000年の歴史を持つと言いながら、高々35年間日本に統治されただけで、韓国がダメになったと大騒ぎしている。勇猛果敢で、優秀な朝鮮民族が、35年間も日本に屈従していたというのなら、どこが勇猛果敢なのかと素朴な疑問がある。
 
 日本による統治は、韓国人の一部知識層が指摘するように、韓国の近代化に貢献した時期でもある。韓国の指導層は、己の失敗を糊塗するため、悪いことを全部日本のせいにし、日本への憎悪を国民に植えつけた。韓国統治期間に善意でやったことの多くが、韓国人に逆恨みされている。
 
 
 以上、日本のマスコミと出版物から私が得た知識を、まとめました。日本がやったことは、「小さな親切、大きなお世話」だったと、自分なりに結論を出しています。
 
 韓国内で「知日派」と呼ばれている親日韓国人は、売国奴と同じ意味だそうです。戦後の韓国には日本親派と、憎悪派との二つの勢力が国を分断しています。マスコミが報道しないので多くの日本人は知りませんが、これが当分の間、韓国での大きな問題でしょう。
 
 氏の本を読んで分かったのは、韓国や中国が問題なのでなく、隣国という位置が問題を生じさせるのだと、そんな気がしてきました。日本の隣に、パキスタンがあり、インドネシアがあったとしても、摩擦やトラブルがあるはずという予測です。
 
 風俗、習慣、思考方法が異なれば、摩擦の生じないはずがなく、世界のどこを見ても、隣国同士が敵対し、憎み合っています。仲良くしている国がなく、これがまさに、「文明の衝突」というものの始まりでしょう。
 
 中国や韓国・北朝鮮との関係が、今のままで良いと言っているのではありません。せめて日本人の側だけでも世界の現実を知り、無用な自己反省や、無意味な謝罪をしないように、賢くなりたいものです。
 
 願わくば「九条への愚かな信仰」をする人間を減らし、現実に即した日本人を増やしたいものです。自分の国を守る軍隊を持ち、米国軍が居なくなる国にしなくてなりません。
 
 ここまで来ますと、完全にハンチントン氏の書評を外れるので止めます。
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文明の衝突 - 10 ( 中国発展の源泉は儒教 ? )

2019-10-21 07:30:34 | 徒然の記
 氏の言うアジアを代表する二国は、日本と中国ですが、本日は中国に関する説明を紹介します。
 
 「共産主義が経済の発展をもたらさず、日本やそれに続く他のアジア諸国で、資本主義が成功したことにより、」「1970 ( 昭和45 ) 年代末になると、中国の指導部は、」「ソビエト・モデルから離れていった。」
 
 「10年後のソ連崩壊は、ソ連から移入されたものが機能しないことを、」「さらに明確に物語った。」「中国は、西欧化に向かうべきか、自国の伝統に回帰すべきかという、選択の岐路に立たされたのである。」
 
 「指導部は、かっての " 体用 " を、」「現代風にアレンジすることに、決めた。」「資本主義を実践しつつ、世界経済と関わる一方、」「他方で、政治的な独裁主義を維持し、マルクス主義に基づく革命の大儀にかえ、」「経済発展の実益をもたらすことにより、政権を正当化し、」「中国文化の伝統を固守するという、選択であった。」
 
 「伝統回帰の動きの中で、民主主義は、レーニン主義と同様に信頼を失い、」「外国から押しつけられたものの一つに、すぎなくなった。」「かって中国の知識人たちは、儒教が中国の後進性の元凶であると、考えた。」
 
 「20世紀末、中国の政治指導者たちは、」「儒教こそが、中国発展の源泉であると、見なしている。」「シンガポールのリー・クワン・ユーも、台湾の李登輝総統も、」「普遍的な中国文化に、統治権の正統性を求めようとしているところは、同じだ。」
 
 マスコミの報道を見ている限りでは、このような中国は、あまり伝わってきませんでした。シンガポールや台湾までが、儒教への回帰をしているとは、初耳です。そういえば、近年の中国は世界の各地に孔子学院を建て、国外の中国人たちを学ばせていますし、他国の大学にも儒教の講座を開かせています。理由はここにあったのかと、理解しました。
 
 「東アジアの成功は、個人主義でなく、」「集団主義に重きを置く、アジア文化の成果という側面が強い。」・・・氏はこう述べたのち、二人の人物の意見を紹介します。
 
 1. シンガポールのリー・クワン・ユー首相
  日本、韓国、台湾、香港シンガポールなどの、東アジアが持つ共同体的価値観と習慣は、西欧に追いつく過程で、より有用な財産であることが分かってきた。
 
 2. マレーシアのマハティール首相
  規律、忠誠心、勤勉を旨(むね)とする日本人と、韓国人の価値観は、それぞれの国の経済的、社会的発展を推し進める原動力として、機能してきた。こうした労働倫理は、集団や国家の方が、個人より大切であるという哲学から、生じたものである。
 
 日本のマスコミは、アジア諸国の政治家の言動について、ほとんど記事にしません。まして中国や韓国となれば、日本批判や攻撃の言葉しか報道しませんので、氏の説明を読みますと、どこの世界の話かと思います。シンガポールやマレーシアの首相が、日本と韓国を同列に語っていると知れると、それだけで拒否反応が生じます。
 
 これは、実に興味深い経験です。アジアの政治家の言葉をほとんど伝えない、日本のマスコミの偏った姿勢を知ると共に、氏に限らず、他国の政治家の目には、日本も韓国も同じように見えているという、信じがたい事実です。
 
 彼らは、中国や韓国・北朝鮮が、いかに日本へ無理難題を言っているのか、私たちが、どれほどの不快感と、嫌悪をこらえているか何も知らないのでしょう。
 
 前の日本の説明に、違和感を覚えたと同じように、今回も氏の叙述は、私の心にまっすぐ届きません。自分が、日本という「井の中のかわず」なのか、氏の著作が微妙なアジアの国々を乱暴にまとめているからなのか、今後の研究課題となりそうです。
 
 と言って、氏の著作を低く評価しているのではありません。私の知らないことを沢山教えてくれますし、意外な説明が多いので感謝しています。
 
 たった60万人の在日のため、あるいは、二重国籍を持つ在日系の政治家のため、日本の伝統や文化が台無しにされていると、私は常々憂えています。日本に憎しみしか持てない、二重国籍の政治家を、国会から追放すべきとも考えています。彼ら手伝いのせいで、日本の世論が二つに割れていると怒りを覚えていました。
 
 氏の著書を読み、世界では多くの国が、もっと深刻な状況にあることを教えられました。意見の対立だけでなく殺傷事件が頻発し、解決の見通しもつかない国がいくつもありました。次回は氏の著書から、この部分を抜き出して紹介し、日本の現状を再確認したいと思います。
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