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文明の衝突 - 16 ( オーストラリア労働党への評価 )

2019-10-25 00:05:25 | 徒然の記
  オーストラリアの労働党について、別の情報を読みますと、オーストラリアの政界はイギリスと同様、労働党と保守党の、二大政党制であることが分かりました。
 
 「オーストラリアでは、中道左派の社会民主主義政党 ( 労働党 ) と、右派政党の保守連合の二大政党が対峙している。」
 
 「労働党は明治24年に創立された、最も古い政党である。」「2007 ( 平成19 )年の連邦下院総選挙で、11年ぶりに政権与党となり、党首のケビン・ラッドが首相に就任した。」「2010 ( 平成22 )年、支持率低迷にあえぐラッドに代わり、ジュリア・ギラードが党首に就任。」
 
 「しかし選挙後も、ギラードとラッドは主導権争いを繰り返し、ギラード政権下では、8人の閣僚が辞任した。」「オーストラリア国民は、この内紛と混乱に嫌気が差し、労働党政権の支持率は、低下した。」
 
 「2013 ( 平成25 )年の総選挙では、野党の保守連合が過半数を獲得し、6年ぶりの政権交代が実現した。保守連合の勝因は、労働党への国民の失望とされる。」
 
 政界の動きを細かく紹介したのは、日本が民主党に政権を渡した時のことを思い出すからです。長期政権には内紛がつきものですが、自民党も国民への責務を忘れ、内紛と金権腐敗に堕したため、反日・左翼の民主党に政権を奪われました。
 
 民主党政権は、三年間しか政権の座にありませんでしたが、彼らがやったことは、内紛と金権の自民党を超える、「日本破壊」の政治でした。普天間の基地問題で日米同盟に溝を作り、尖閣の問題では中国と衝突しました。 外交も内政も素人集団だった彼らは、三年間で日本の土台を崩壊させることしかやりませんでした。
 
 民主党の政権と比較することで、オーストラリアのキーティング首相が決定した、政策の大転換の意味を理解しました。
 
 「オーストラリアは、 〈 帝国の出先機関  〉であることをやめ、〈  アジアに組み込まれる  〉 ことを、目的とすべきだ。」
 
 マルクス主義を信ずる労働党は、もともと、国の歴史や伝統に重きを置きません。日本共産党や他の反日野党が、皇室の廃絶を夢想しているように、オーストラリアでも彼らは、エリザベス女王への敬意を捨て、英連邦からの離脱を図っています。
 
 令和元年の現在、退任後のキーティング氏は、中国国家開発銀行の、国際顧問委員会のメンバーだそうですが、ルーピー鳩山氏と似ています。
 
 「中国は偉大な国だ。現在は、世界第2の経済大国であり、すぐに、世界最大の経済大国になるだろう。」「それを考慮に入れていない外交政策を取るなら、われわれは愚か者だ。」
 
 キーティング氏は、今でもこのような意見を述べ、政治をかき回しているそうです。オーストラリアの混迷ぶりを知りますと、反日・左翼政党に翻弄されていても、日本の方がまだマシに思えてきます。英連邦からの離脱を防止したのは、多数の国民の反対であったことを、私たちは知らなければなりません。
 
 国論の分断したオーストラリアの悲劇には、アジア諸国の反応があります。アジア諸国の意見を氏が紹介していますから、そのまま転記します。
 
  1.  インドネシアの政府当局者
  「オーストラリアのアジアへの統合の成否は、一つのことにかかっている。アジア諸国が、どこまでオーストラリアの意向を歓迎するかだ。」
 
  2.  マレーシアのマハティール首相
  「文化的に、オーストラリアは、まだヨーロッパなのだ。我々はそう思っており、オーストラリアは、東アジア経済会議に参加すべきではない。」「我々アジア人は、他国に対して率直に批判したり、評価を下したりすることをあまりしない。」
 
 「オーストラリア人は、文化的にヨーロッパ人なので、何が正しいのか、間違っているのかを、相手に向かって言う権利があると思っている。」「当然ながら、それは東アジア経済会議と、相容れないものだ。皮膚の色の問題でなく、文化の問題なのだ。」
 
  3.  あるタイ人リーダー
   「キーティング氏の意見を、困惑しながら、しかし寛容の気持ちで聞いている。」
 
 アジアのリーダーたちの意見を紹介した後で、氏が結論を述べています。
 
 「オーストラリアは、キーティングが罵倒した、〈 帝国の出先機関 〉 と、リー・クワン・ユーが、軽蔑して呼んだ 〈 アジアの新たな貧乏白人 〉であり続け、永久に引き裂かれた国家になるだろう。」
 
 「オーストラリアの、アジア化という無駄な努力は実現しない。」「オーストラリアが、イギリスの王権から離れて、共和国になりたければ、世界で最初にそれをした国と連合すればいいのだ。」
 
 氏が婉曲に勧めているのは、米国との連携です。異文化のアジアと同化するのでなく、アメリカと連帯すべきと主張しています。いかにも、米国の学者らしい意見です。ついでに付け加えますと、左翼政党はどこにあっても、国をダメにすることしかしないと、これが私の結論です。
 
 次回はロシアです。やっと247ページです。
コメント
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