前回の記事の残り半分を、紹介します。
〈 2. 4月28日 「日独 国際秩序維持へ積極外交」」 〉
「首相は26日の記者会見で、ウクライナの侵攻を〈力による一方時な現状変更の試みであり、国際秩序を揺るがす行為だ〉と批判。」
「こうした事態を許せば、軍事力を増強する中国の動向に、影響を与えかねないとの危機感があり、ウクライナ危機への関与を強める考えだ。」「ショルツ氏は就任後初のアジアの訪問先として、日本を選んだ。」
ロシアの侵略をそのままにしておけば、習近平氏が同じことをする独裁者という点で、岸田首相とショルツ氏は認識を一つにしています。核使用という危険な脅しを放置すれば、世界が崩壊します。二人が真剣な対談をしたことの証明が、3件目の記事ではないでしょうか。
〈 3. 4月29日 「日独 首脳安保協議を新設」 〉
「岸田首相は28日、ドイツのショルツ首相と官邸で会談した。」「ロシアによるウクライナ侵攻に関し、国際社会が毅然と対応し、全力でウクライナを支えることを確認した。」
「日独の外務・防衛閣僚会合 ( 2プラス2 ) の次期会合を早急に開き、」「〈自由で開かれたインド太平洋〉の実現へ、緊密に協力する方針で一致。」
「安全保障強化に向けて、両首脳が参加する政府間協議を新設し、来年の開催を目指すことで一致した。」
共同通信社の説明はありませんが、両首脳の動きは私の言う「蟻の一穴」です。新設を目指すという「両首脳が参加する政府間協議」が、記事のタイトルになっている「首脳安保協議」です。5大国の拒否権で機能不全に陥った「安全保障委員会」に代わるものとして、日独の首相が意思を統一して動き出したことになります。しかし共同通信社は、別の方向から記事を書きます。
「ドイツが議長国を務める、6月の先進7ヶ国首脳会議成功に向け、来年日本が開くサミットでの協力も確認した。」「両首脳の対面での会談は、初めて。」
日独首脳の協力は、サミット会議成功のためだという説明です。
「岸田首相はドイツとの安保連携で、中国が海洋進出を強める東アジアでも、力による現状変更を許さず、国際法に基づく秩序を維持する狙い。」
「両首脳は、中国の海洋進出を念頭に、東・南シナ海での力を背景とした、一方的な現状変更の試みに、強く反対することで一致した。」
共同通信社がわざとこう言う記事を書いているのか、岸田総理がさせているのか、両首脳の動きを〈機能不全に陥った「安全保障委員会」〉への対案、つまり「国連改革」であると説明しません。
サミット成功への協力と、危険な中国の動きへの牽制もありますが、両首脳が計画しているのは、それらを包含したもっと大きな「国連改革」です。残りの記事はコメント無しで紹介しますが、共同通信社は、核戦争防止のため知恵を絞る日独両首相の矮小化記事で終始しています。
「ショルツ氏は政府間協議の新設方針に関し、日独関係を質的に新たなレベルに引き上げるものだと、述べた。」
「会談で岸田首相は、ロシアのウクライナ侵攻を非難した上で、〈日本は各国と連携し、強力な制裁とウクライナへの支援を強化する〉と強調。」
「ショルツ氏は、〈制裁はロシアにとって痛手となっている。多くの国が足並みを揃えることが重要だ〉と応じた。」
もしかすると共同通信社だけでなく、NHKも朝日も同じ姿勢で両首脳の動きを報道しているのでしょうか。歪曲報道を続ける大手メディアを相手にせず、私は自分の考えを息子たちと、「ねこ庭」を訪れる方々に紹介します。下記7項目の内、二つを紹介しましたので、次回は「韓国の融和姿勢」姿勢です。
・国連安全保障委員会の見直し ・岸田外交 ( 対ドイツ、アジア、韓国 )
・韓国の融和姿勢
・敵基地攻撃能力検討 ・ 防衛費増額
・憲法審査会の進捗 ・共産党の現実路線転換