田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

包丁片手に

2008-01-07 09:18:48 | Weblog
1月7日 月曜日 晴れ
●徹夜してしまった。小説を書いていてまた徹夜した。小さな田舎町で34年ほど学習塾をやってきたが、もういけない。もうだめだ。という思いからカムバックをきして、小説を書きだしたのは5年ほど前だった。最盛期には270人いた塾生が一昨年は6人までになった。親たちの塾選びの基準がかわった。まったく宣伝しないからだ。ほかの商売なみに、いやそれ以上に誇大広告で押しまくらなければやっていけない。それでも、去年は奇跡がおきた。20人ほど入塾生がいた。どうにかやってこられた。今年はどうなるかわからない。

●去年はNovaの倒産劇があった。いろいろと話題を呼んだが教育問題としてとらえたコメントはすくなかった。能率、効率万能主義が教育の、そだてるという心を踏みにじっている。

●徹夜明けで新聞を取りにでた。今朝もかなり寒い。そして、ショッキングな記事が目にとびこんできた。

●少年「塾で怒られ」

●ああこういうことがやはり起きたか。とおもった。子どもたちは苦しんでいる。試験のたびにいい成績をとれる生徒はいい。わるい成績しかとれない。いくら勉強をしても成績がのびない。そのあげく、ただもう机にすわっているだけで勉強などしない。トラウマとなる。心的外傷体験後ストレス障害。とにかく、虎と馬だ。学校でも塾でも思うような成績がとれずにどんどん虎馬を太らせていく。あげくのはては……。悲しいことだ。

●テレビをつけた。いつもの顔ぶれが「動機を究明しなければ」とやっている。もはやそうした心理学の知識などで、どうのこうのいえることではない。あまりにいまの学生が置かれている現状を知らなさすぎる。こういう事件が起きてあたりまえ。起きないほうがおかしい。そうした現状のなかで教育にたずさわっている公的あるいは私的な塾などの教師の悩みはとてもわかってはもらえない。

●塾や学校での受験戦争につかれはてた。そういうことでもない。家庭の在り方がかわってしまっている。トラウマが生れそうなときに、「おかあさん」と母の胸に顔をおしっけあまえられる。そうした、母親はもはや存在しない。やさしく抱擁してくれるはずの母の胸が、子どもを拒絶している。

●弱者へのいたわりの心もなくなっている。子ども同士でいじめあっている。

●安易に動機究明などといわず、現状認識からはじめてもらいたいものだ。快適に勉強に励めるような環境をつくるためにみんなで努力しなければ、これからこうした事件はふえるばかりだろう。いまも、こうしていても、今日から新学期。きゅうきゅう苦しんでいる子どもたちの泣き声が聞こえてくる。