お芝居で ついつい肥る 習慣で

それは…数年前の出来事でした。
仕事終わりに…舞台の本番に駆け付けます。
そして時間が無かったので…食事をせず立ちました。

芝居が始まって…空腹を覚えました。
そして暫くすると…お腹が鳴り出します。
やがて最後には…力も集中力も無くなります。

喋るのも億劫で…目もトロンです。
立っているのもやっと…動く事が嫌な位です。
そんなこんなで…絶対に良い舞台ではなかったはずです。

それから僕は…舞台本番では空腹はなしです。
本番前は…何が起ころうが何がやって来ても食事します。
必ず腹９分目位にして…毎回舞台で走り回ってる僕なのです。

だから自然と…身体は大きくなります。
いつも体重も2キロは増えて…舞台を終えるのです。
それを覚悟で…毎回の舞台を演っていた僕だったのです。

ですから芝居前は…身体を絞っています。
走り込んで体力をつけ…必然とお腹も引込めます。
つまり服は…少しダブダブ状態だった僕だったのです。

今回の芝居前は…色々大忙しです。
走る時間もなく…絞る時間もありません。
ですから…お腹がプクッとしてしまいます。

衣装合わせで…やばいズボンです。
15年前のスーツは…やはり難儀なようです。
身体は完全に進化している…まだ横成長期の僕です。

本番前日に…ズボンはピークを迎えます。
と云うよりは…僕の身体がピークを迎えます。
お腹とズボンは…完全に仲が悪い関係のようです。

しかし…僕は食べなくてなりません。
劇場入りから…ラーメンで飛ばす僕です。
ですから…お腹の成長も飛んでいるのです。

そして…沢山の差し入れがあります。
お菓子やケーキは…別腹と云うウエストに入れます。
おにぎりやいなりは…普通にお腹に入れて満足させます。

僕の人生で…一番のお腹です。
大きく…成長した僕のお腹です。
そんなお腹に…育て上げた僕です。

初日から…肥っていく僕です。
ズボンは…悲鳴をあげています。
しかしお腹は…気力で引込みます。

引込んだ瞬間に…ズボンを履きます。
約2時間…ズボンに締め付けられる僕です。
そして何もないかの如く…舞台を走り回るのです。

終演後は…直ぐにズボンを脱ぎます。
「どゎー」と大声を上げる…開放される僕です。
そしてお腹には…締め付けられた後がクッキリ残ります。

毎回の公演で…これを繰り返します。
そして終演ご…ダウンの僕だったのです。
まるで調整失敗の格闘家の様で…身体は完敗す。

こうなったら…次回はガリガリの僕をお見せします。