新しい枝の樹皮には、濃い緑の地肌に黒い斑紋が現れます。その状態が、黒い墨で文字を書いたように見えるために、「黒文字」という名前が付いているようです。都会にお住まいの方には、高級和菓子などに付いている爪楊枝として知られていると思います。独特の香りがします。
私は、「高級」には縁がないので、畑沢らしいことで覚えています。それは「カンジキ」の大事な材料であることです。3mも積もる雪の里、畑沢では、カンジキは欠かせません。クロモジの幹は、熱を加えると容易に曲げることができます。しかも強靭さがあります。カンジキの輪っか部分になります。
今、かんじきを作る人はほとんどいないのでしょうか。山に入って探したところ、あちこちに沢山生えていました。