清水畑の古瀬S氏の農具です。普通の箕(み)は、両手で持って上下に扇ぐように振って、豆などの穀物に混じっている殻や枝その他のゴミを取り除くものですが、「唐箕」は手動ながらその作業を自動化したものです。上の四角い漏斗から出てくる穀物に、ハンドルで大きな風車を回して風を送り、穀物以外の邪魔なものを吹き飛ばしてくれます。「唐」という文字が使われているのは、昔、中国から伝わった技術からかもしれません。
写真の唐箕は、コンパクトにまとまった形をしていますし、躯体の木材と金具が新しいものです。農機具メーカーで最近に作られたようです。私が実家でみた頃の唐箕は、金属は一切、使われず、躯体は殆ど杉材で作られていたようです。もちろん、製作はメーカーでなく、地元の大工さんの手によるものだったようです。そのため、各家の唐箕には、それぞれ特徴がありました。私は昔、唐箕が面白くて、おもちゃ代わりに遊んでいました。ハンドルを回して風を作り、風の出口に顔をあてて風の感触を面白がっていました。手伝いでハンドルを回すのは、全く面白さがありません。根っからのヘヤミだったのですね。
ところで、写真の唐箕は斑な模様らしきものが見えますが、実は私が不注意にも濡らしてしまった跡です。またもや、古瀬氏に迷惑をかけてしまいました。