~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

防音室とピアノ

2022年09月30日 15時28分23秒 | 雑感
 
約1ヶ月前にほぼ引っ越しは完了していたのですが、
防音室がまだ工事中であり、ピアノの納入日も決められない状態でした。
7月13日に掛川で選定した一番左端のピアノ…さていつうちにやってくるのか。



転居した家は、中古戸建てのフルリノベーション。
といってもリノベしたのはうちではなく、売主の業者さん。






防音室工事着工は8月4日。
工事は、綺麗に出来上がっていた部屋の破壊から始まります。
「床も剥がして一段低くし部屋の高さを出す」という提案もいただいたのですが、
工費の関係と、きれいな床になんとなく同情して、既存の床の上に防音の床を貼ることに。
天井はベリベリガリガリと剥がして、こんな状態。




新しい天井を作ります。写真では分かりにくいですが、若干の傾斜があります。





吸音材(?)を入れていきます。


 
 
新しい壁を作っていきます。




防音扉が来ました(YAMAHA製)



クロゼットを取り払った後に残った、構造上外せない柱に貼る紙、
壁紙、天井紙をそれぞれ選びました。







防音サッシ(ペアガラス)用の窓枠を選んで取り付けていただきました。



そろそろ照明をつけます。
少々部屋が広くなって2箇所設置になりましたので、1つはとりあえず手持ちのものを。





防音のサッシ(ペアガラス)を入れます。
 
9月6日工事終了引き渡し。(エアコンは9月9日設置)
クロゼットを取り払ってしまったので、机と本棚を入れます。
(CD棚ともう1つの本棚はこれから取り付けます)
 
ほかの部屋のカーテンは自分で取り付けたのですが、さすがにこの部屋は壁も特殊なので、カーテン屋さんにお願いいたしました。


 
 
ピアノは9月20日に納品の予定だったのですが、台風で延期。
9月28日、快晴大安吉日(笑)、搬入。








 
掛川で選定してから2か月半。うちで弾いても変わらない感じで安心しました。
 
今回の防音室工事は、友人の友人である空音舎さんにお願いしました。
細かいところまでよく相談にのってくださって、満足のいくお部屋を作ることができました。また暑い中、毎日通ってくださった大工さん、(家のほかの部分までお願いしてしまった)電気工事の方、壁紙を貼ってくださった方、本当にありがとうございました。
ピアノについては、YAMAHA広島店、掛川ハーモニープラザの方、そして運送屋さん、YAMAHA銀座店の方、ありがとうございました。
 
 
 

引っ越しました!

2022年08月29日 10時38分00秒 | 雑感
今月3つの引っ越しをしました。
転々としたわけではなく、一箇所に落ち着いたということです。
(4つ持っていた鍵がとりあえず半分になりました)。

8月9日   広島の荷物を神奈川の新居へ(広島の家は要らないものがまだ処分されていない状況💦)
8月14日 神奈川の旧居から同じ区内の新居へ(完全引っ越し)
8月23日 神奈川の同じ区に在住していた娘が新居へ(完全引っ越し)

家族の不調やら試験やらあり、200箱以上の段ボール箱とほぼ一人で戦ってきました(笑)。
まだ防音室の工事中ですので、自分の荷物はまったく片付いておりませんし、ピアノも入っていませんが、
それも9月半ばくらいにはなんとかなるのではないか、と思っております。

さてその前、6月から8月上旬にかけては、2003年から(皆勤とはいわないけれども)受け続けているコンペに参加していました。
今年は「40歳以上の音楽歴を問わない(つまり、ピアノ科卒可、演奏活動等している人も可)というカテゴリーに戻って受けました。
このカテゴリーは2010年から2019年まで連続して受けており、2020年はコロナでコンペ自体がお休み。
2021年、つまり昨年は「55歳以上の音楽歴を問わない」という新設のカテゴリーに出て、ありがたいことに1位をいただきました。
昨年のカテゴリーが易しいとは全く思いませんが(実際、今年受けたカテゴリーで過去に全国1位2位に入られた方も何人かお見かけしたので)、今年受けたカテゴリーは、自分としてはかなりハードルの高い部門です。
過去にも弾いたことのある、グバイドゥーリナの「シャコンヌ」で再挑戦。
2013年に弾いたので、9年ぶり。
奇しくも2013年2月には父が亡くなり、今年1月には母が亡くなっています。…私なりの「喪」の表現なのか(笑)。
9年前まったく歯が立たなかったところがあったのと、テンポが指定のものに届かなかったので、
自分としては「弾けなかった」曲であり、当時本選奨励賞ではありましたが、納得のいかない演奏でした。
今年も相当苦戦…   まず、まったくもって楽譜が記憶に残っていなかった。よって暗譜が大変。
次に「弾くと面白い」のですけど、動画をあれこれ見るに「聴くとイマイチ」💦
昨年のバツェビッチからすると、「1回でアピールするのがなかなか困難」な曲なのだ、と実感しました。
予選は、広島と東京で受け両方通過。
本選は、7月30日に大阪、8月6日に東京。
大阪では(自分ではあまり感じなかったのですが)講評をみるに、響きのコントロールに失敗したようであり、本選レベルの「詰め」に至ってなかったと自分でも反省し、残り6日間で楽譜読みからやり直し。
5月以来2回目のレッスンも受けて、なんとか自分で納得できるところまで引き上げました。
幸い、優秀賞(2位)をいただき、このカテゴリーでは自分の歴史の中では最高位となりました。
6日は夕方の新幹線で広島へ。
そこから約3週間は、ピアノに触るどころではなく、ダンボール箱との格闘の日々(今に至る)。
(万一全国に残ってたら、きっとへろんへろんで指が笑っていたに違いない💦)

さて、8月も終わります。
元気に秋を迎えたい。















この3か月

2022年04月07日 00時32分08秒 | 雑感

 

 

気がついたら4月になっていました。

自分のために1~3月を振り返ります。

 

1月は、急激に新型コロナの感染が拡大してしまい、蔓延防止措置が多数の都道府県にわたって実施されましたので、広島往復もキャンセルしました。

このまま2月までうちにこもっていようと思いつつ、娘の受験準備をちびちび進め、生徒は動画録画でのレッスン。

・・・という日々を過ごしていた、1月30日の午前3時、母の入院先(広島)から電話がありました。

夜間の見回りをしていたら、急変していてまもなく亡くなったとのことでした。享年89。

昨年末以来再々病院から「あまり時間はない」旨、電話連絡は受けていたので、タブレット越しとはいえ、週一くらいの頻度で、たまには子供も呼んで面会をしていました。2019年3月1日に脳梗塞で倒れてから3年弱、がんで緩和ケア病棟に移ってから1年4か月、お互い十分な時間を過ごしました。

ということで覚悟はあったのですが、その日と翌日は実は娘の受験でして、さすがに「ばあちゃん、あと1日我慢できんかったか?」とは思いました。息子を先に行かせて、私は翌日娘を試験に送り出してから広島入り。2人で荼毘に付しました。

最後までお菓子を楽しく食べていた母には、お菓子を送り続けておりましたが(今でもお菓子を見ると、送らなければならないような気になります)、病院でもきめこまやかに管理していただいていたことがわかりました。

 

2月、娘の受験シーズンも終わり、26日は、ピティナの入賞者演奏会。

  

ポーランドの作曲家バツェヴィッチを弾いて賞をいただいたので、やはりここは期待に応えねば(どういう期待?)というわけで、トルコの作曲家エルキンの「インプレッションズ」から7曲を弾きました。もともとエルキンのことは知っていたのですが、何年か前に友人からこの曲集の楽譜をいただいたのです。「そういえば・・」と取り出して弾いてみましたら、いけそうな気がしました(笑)。(といっても12月まではベートーヴェンの24番と26番にかかりきりでそれどころではありませんでしたが)。ちなみに抜粋した曲は、「遊戯」「小さな羊飼い」「小川」「牛車」「冗談」「飛翔」「ゼイベクの踊り」。拍子感の独特な曲もあれば、魂が浮遊しているような不思議な曲も入っています。ぜひ聴いたり、弾いたりしてみてください。

そういえば、入賞者演奏会の10日前には友人とこのような素敵な場所で練習してきたのでした。

 

 

3月初めは、深大寺のだるま市に行ってきました。米澤穂信さんの『満願』を読んで以来、いつか行ってみたいと思っていました。

   

もちろんお蕎麦も食べました。娘とひさびさにゆっくり外出できました。

 

3月13日(日)は広島で2台ピアノの演奏会。中学生、いや小学生の頃から知っているMちゃん(現在音大大学院生)と、モーツァルトの「2台のためのピアノソナタ(全楽章)」と、アルチュニアン&ババジャニアンの「アルメニア狂詩曲」を演奏しました。2台そのものもだいぶ久しぶりでしたし、2台のためのちゃんとした演奏会で弾いたのは、もしかすると13歳以来だったような気もしますが、2台オリジナル曲の難しさをあらためて感じました。

 

3月末は広島を経て、母の納骨のため鹿児島へ。

  

広島はよいお天気でした。25~27日と用事や仕事を済ませ、鹿児島へ移動。

卵を溶いたスープで食べる黒豚しゃぶしゃぶ、幼い頃から親しんだ照国神社、そして水族館。

   

  

霊園は桜でいっぱい。神主さんとは父の一年祭以来にお会いしました(来年はもう十年祭)

 

鹿児島から帰って2日経った3月31日は、豊橋での「第1回 愛知カンマームジークアカデミー」修了演奏会のお手伝いに。10時開演20時過ぎ終演。日帰りでのなかなかハードな一日でした。

    

一年ぶりにお会いする先生方、受講生。呉から移っていろいろ変わったこともありますけれども、なんらかの形でご縁をつないでいけるのはありがたいことです。

 

このほかにも、娘が振袖の撮影をしたとか(3月23日)とか、付近の物件を相当(?!)見歩いたとか、相続関係の書類のあれこれをやったとか・・・こうやって振り返ってみると、それなりに何かやってますね。勤めを持っていないと、ただダラダラ3か月過ごしたような気がしていけません(笑)。

 

新年度、コロナもウクライナもとにかく平穏になってくれるのを祈るばかりです。

 


あけましておめでとうございます

2022年01月01日 07時28分00秒 | 雑感
あけましておめでとうございます

こちらで初めて年末年始を過ごします。
買い物等まったく慣れず、一昨日一回、昨日二回出入りしました。
これまで、生協の宅配で正月の物すべてをまかなっていましたので、
スーパーの人の多さにびっくり。

おせち、夕食、年越し蕎麦と作り続け、
日が変わった頃にはベッドでなぜか歯ブラシくわえたまま気絶(笑)。
柄にiPad落として目が覚めました。歯を折らなくて良かった💦

今年もよろしくお願いいたします。










今年弾いた曲

2021年12月30日 15時22分53秒 | 私のピアノ歴
今年も今日入れてあと2日ですね。
こちらで迎える年末年始は初めてなので、何していいか分かりません。
とりあえず電子ピアノ(キーボード?)でカタカタと朝練しました(笑)。

先月、ある方から「来年は『木枯らし』弾いてほしいなあ」ととんでもないリクエストをいただき(たぶんレパートリーに入っていると思っておられる💦)、せっかくなので、ぼちぼち弾き始めました。

これ言うと結構驚かれるんですけど、ショパンのエチュードで若い頃に弾いたことがあるのは「革命」のみ。35歳で再開してからは、さすがにそこまでは到達せず、プレリュード集をゆっくりゆっくり弾いたくらい。そのうち、右4が動かなくなり、エチュードはおろか速い曲はことごとく却下。
「鑑賞用に」とパデレフスキ版を買ったのが50歳の時。
それから7年経ちますけど、まあ遅々として進まずですね(鑑賞用だし)。部分的には練習してますけど、一曲通しとかなかなかです。
ただ「年取ってから始めて、どこまでいけるか」は自分的に興味あるので、曲に追われてない時期に少しずつ進めるようにはしています。

さて、恒例の「今年弾いた曲」です。


224日(水)  地域の高齢者サークル向けコンサートマンドリンと共演

313日(土)  広島ターフェルオーケストラ定期演奏会。グリーグピアノ協奏曲」@HBGホール

328日(日) カンマームジークアカデミー修了演奏会ドヴォルザークピアノ五重奏曲1楽章」@呉信用金庫ホール

410日(土)  二胡とクローズドのコンサート

425日(日)  闇鍋会 (二胡とのプログラム等) @アステール中音楽室

52日(日)   お好みコンサートクープラン恋のうぐいす」、バツェビッチピアノソナタ第2番第1楽章」@西区民スタジオ

612日(土)  ピティナ広島予選。バツェビッチ「ピアノソナタ第2番第1楽章」 @東区民ホール

613日(日)  トランペットとクローズドの山荘コンサート(ソロ「テンペスト第3楽章」他)

626日(土)  ピティナ東日本予選。バツェビッチ「ピアノソナタ第2番第1楽章」@中野坂上ハーモニーホール

723日(金)  ピティナ東日本本選。バツェビッチ「ピアノソナタ第2番第1楽章」@仙川フィックスホール

816日(月)  ピティナ全国決勝大会バツェビッチピアノソナタ第1楽章、第3楽章」@王子ホール

1010日(日) 大学サークルOG会コンサートモーツァルトピアノソナタK576 全楽章」@汐留ホール

1113日(土) トランペットと山荘コンサート。(ソロ「エリーゼのために」「テレーゼ第1楽章」ほか)

123日(金)  ベートーヴェンを弾く会24「テレーゼ」、第26番「告別」@さくらぴあ小ホール

1215日(水) 地域の高齢者サークル向けコンサート。鍵盤ハーモニカ四重奏ほか




今シーズンの松本和将さんのベートーヴェンリサイタル(その2)

2021年12月18日 20時04分05秒 | ピアノ

月があらたまって11月。

24日に京都のカフェモンタージュでのリサイタルがあり、配信を聴きました。ここの配信は、動画でなく音声のみなのですが、高音質なのと、音声のみの良さもあって、私は大変気に入っています。

カフェモンタージュには一度伺ったことがあるのですが、ちょっと照明暗めの独特の雰囲気があって、ここでしか聴けないような演奏がたびたび出現します。今回は個人的には「月光」1楽章がそれでした。「ほんとうはものすごく離れて存在する星を、地球からの見え方で線でつないで星座にした」という、ちょっと訳のわからないたとえが頭に浮かびました。もしかすると無関係かもしれなかった音たちが、たまたま縁を持ってつながっているというか。・・・自分でも何言ってるのかよく分かりませんが(笑)。

そしてその5日後の29日。浜離宮朝日ホールでのリサイタル。ホロヴィッツ使用のピアノを持ち込んでのものでした。

その場で聴いた友人知人は「『熱情』が圧巻だった」という感想が多かったように思いますが、私個人としては「ワルトシュタイン」を楽しく聴きました。

作曲された当時の音域ぎりぎりの辺りの緊張感、

低音域・中音域・高音域それぞれの音色や表情の違い、それあってのシンフォニックな面白さ、

ややもすると、スケール・アルペジオ・和音オンパレードのテクニックにばかり気がいってしまうようなこの曲の面白さに、あらためて気づいた次第です。

毎年、同じプログラムを複数回聴くように心がけていますが、コロナ以降、配信も始まり、それが叶いやすくなってきました。

配信のご苦労は尽きないと思いますが、ぜひ今後も継続していただけるとありがたいです。そうすると、LIVEの楽しさ有難さもひとしおですから。

 


今シーズンの松本和将さんのベートーヴェンリサイタル(その1)

2021年12月18日 16時46分19秒 | ピアノ

今年の松本さんのリサイタルシリーズ「世界音楽遺産」は、ベートーヴェン。正確に言うと、昨年分がコロナで延期になった形です。てっきり後期三大ソナタだと思っていたのですが、「悲愴」「月光」「熱情」に、ツィッターの投票で決定した「ワルトシュタイン」の4曲でした。
(後期3曲は9月20日玉島での演奏会で「ハンマークラヴィーア」と共に聴く機がありました)

10月のある日、自分の本番が終わってちょっとばかり気が緩んでいるときに、長野市芸術館での松本さんのリサイタル(10月13日)に予約を入れてしまいました。ホームページを見ると、
・良さげなホールである
・平日午後のコンサートを恒常的に開催していて、セット券まである
・まさかのスイーツ付き(演奏者の推薦によるもの)
ということが分かったので、30年ぶりの善光寺参りを兼ねていくことに。
朝7:55のバスで向かい、帰りは20:57に東京に着くという、プチ旅行。



平日午後にも関わらず、かなりの集客で常連さんもおられる感じでした。
前半「悲愴」「月光」の演奏のあと、休憩。そして、企画者との対談。そのあとピアノのアクションを出しての楽器の説明。後半は長野にちなんだ1曲ということで「田園」。最後に「熱情」。
楽器とホールも相性のいい感じで、ffからのpがしゅっと静まり返って気持ちよく、中音域がちょっと艶のあるウェットな感じの音で、ちょっと漆器っぽかった(笑)。
「悲愴」「熱情」の細かい部分でこれまでとちょっと変わった部分や、「月光」3楽章のアルペジオがもくもくと湧き上がる感じなのも面白く聴きました。

(その2へ続く)


福田廉之介 ヴァイオリンリサイタル

2021年12月18日 11時42分00秒 | バイオリン
昨夜、福田廉之介さんのヴァイオリンリサイタル「Labyrinth」@王子ホール19時開演  へ行ってまいりました。
今年8月16日のコンペ全国決勝大会以来の王子ホール。今回は聴く方なので余裕です(笑)。
スタッフがブラックタイなところがなんとも銀座の格式。






さてプログラムは、
フォーレ「夢のあとに」
ストラヴィンスキー「ディヴェルティメント」
ラヴェル「ヴァイオリン・ソナタ第2番」
プーランク「ヴァイオリン・ソナタ」
(アンコール : タイスの瞑想曲)

フォーレは別として、このあたりのヴァイオリン曲にはとんと疎く、昼に動画で予習しました。
「ディヴェルティメント」って、タイトルからして軽めの曲かと思っていたら、〈シンフォニア〉〈スイス舞曲〉〈スケルツォ〉〈パ・ド・ドゥ〉の4曲から成る、なかなかの大曲。私にはわからないヴァイオリンの技法もいろいろ含まれているような感じで、ピアノもリズムというかノリが身体に入ってないと絡めないように思い、まずこの曲からしてびっくり。
ラヴェルのソナタも第2楽章が別の意味でびっくり。プーランクはプーランクっぽいけど相変わらず意表しか突かないあれこれでびっくり(笑)。…というわけで、ピアノ弾きが聴きに行くにはなかなかハードルの高いプログラム。

ならばなぜチケットを買ったのかと言われると、今年の3月に岡山で松本和将さんとリサイタルをされたのが強烈に印象に残っていたからなんです。その時はたしか、モーツァルトとシューベルトとベートーヴェンの「クロイツェル」を聴いたように記憶しています。
気になるので、Facebookの過去記事を漁って見つけてきました。



これを見て思い出しました!
今年8月までコンぺがあって、12月にベートーヴェンのソナタ2曲あるのに、なぜ10月にモーツァルトのK.576を弾いたんだっけ?…と思っていたんですが、この福田くんのリサイタルの影響でした(笑)。500番台のヴァイオリンソナタを聴いて、自分も弾いてみたくなったのでした。

福田廉之介さんは1999年生まれで、幼少期より広響、関西フィルはじめ多数の国内外のオケと共演。ハノーファー国際コンクール4位、ハイフェッツ国際ヴァイオリンコンクール3位等。現在ローザンヌで勉強中。使用楽器はニコロ・ガリアーノ。

3月の時は、モーツァルトのソナタのまるでオペラのような掛け合いとか語り口が楽しかったのですが、昨夜はキレのいいリズムや絶妙な間、あと音が途切れず回って戻ってくるような独特の流れに魅了されました。個人的にはストラヴィンスキーのまさにバレエを思わせる「動く音たち」が新鮮。後半のラヴェル、プーランク…聴いてる方も油断のできない曲たち(笑)。これを支えた松本さんもすごい!

こういうプログラムも聴いてみるもんです。
またお願いします。




10月のモーツァルトソナタ本番と、12月の「第14回ベートーヴェンのソナタを弾く会」

2021年12月11日 18時14分00秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)
なんと12月中旬になってしまいました。
コロナがらみで、コンサートを大々的に告知するのが憚られるという、理由というか言い訳により、
いろんなお知らせをせずに3カ月ほどが過ぎてしまいました。

10月は、ショパンコンクールの配信鑑賞いや観戦によりあっという間に過ぎましたが、10日にひとつ本番がありました。
大学時代のピアノサークルOG会の発表会(@汐留ホール)




昨年までの会場がなくなってしまい、今年初めての場所でしたが、こじんまりしていい空間でした。
8月にコンペが終わって、なぜかモーツァルトを弾きたくなってしまい、K.576を準備しましたが、やればやるほど、細かいことが湧いてきて(モーツァルトのソナタを全楽章人前で弾いたことはおそらく初めて💦)、非常に苦戦しました。苦戦のまま本番を迎えましたが、このタイミングでこの曲をやったことは大変ためになりました。

2ヶ月弱モーツァルトにかまけていて、気がついたら、12月(今年は3日、4日)の恒例「ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会」が目の前。
モーツァルト1曲でこんなに時間かかったのに、約1ヶ月半でベートーヴェン2曲大丈夫か。。
24番「テレーゼ」、26番「告別」を弾くことは既に申告してあり、なぜか今年は暗譜することも決めていました。
前にも度々書いていますが、2008年に始まったこの「ベートーヴェンのピアノソナタを弾く会」で、私は途中から2曲ずつ弾くようにしており(「ハンマークラヴィーア」の年と、昨年のベートーヴェン生誕250年の「32人で32曲」の年は別)、65歳までには何があっても32曲終える予定でいるわけです。2曲弾かないわけにはいかない。
でもまだ10月のこの時点では(2曲といっても計5楽章だし…)という、甘い考えがありました。

「告別」は、第1楽章も第3楽章も言わずと知れた受験生御用達のテクニカルな曲ですけれども、「テレーゼ」第2楽章の「テレテレテレテレ〜」もなかなかハマらない、覚えられない。前日広島入りして、3人の友人宅を転々として本番仕様の練習をするも、あちこち落ちる💦落ちるばかりか、戻れなかったりもする。ここまでシャレにならんくらい練習して、分析もしてて、もう頭でも身体でもわかっているはずなのに、本番もどきの負荷をかけると弱いところがある。…自分比で明らかに、かけた時間が足りないんですよねえ。
本番は少々弾き直しはありましたけれども、前日までの状態を思うと、不思議と落ち着いて楽しめた気がします。…が、さすがにコンペ後にモーツァルトを入れたのは冒険すぎました。得たものは大きかったですが、心臓に悪過ぎました。

というわけで、ベートーヴェンソナタ、残り11曲。来年は7番と27番の予定です。




(主宰のH先生は、今年は2日間、3番と15番を弾いてくださいました)








今週のコンサート

2021年09月25日 22時51分00秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)
ちょうど広島での予定が一日ぽっかり空き、「さて、家の片付けでもするかなあ」と思っていたところ、
玉島で松本和将さんのリサイタルがあることを知り、急遽行ってまいりました。

9月20日(月・祝)14:00開演  玉島市民交流センター 湊ホール
ベートーヴェン生誕250年記念 ピアノソナタ全32曲 演奏会
第5弾 最終章
第29番、第30番、第31番、第32番




これまたコロナで延期になって、厳重な対策を施してやっと開催にこぎつけたという公演のひとつですね。
たまたま行ける日だったというのもありますけど、
第29番「ハンマークラヴィーア」のテンポを上げた、という情報をご本人のツィッターから得ていたということと、
シゲル・カワイを持ち込まれるということ知った、ということも、行く気になった要因というか誘因。

なんせ、私自身「ハンマークラヴィーア」は松本さんに足掛け1年半近くレッスンしていただき、
とりあえず人前では2回弾きました。(…が、今では、全貌を思い出すのも難儀する状態💦)
「(あまりにも無理なテンポゆえ)メトロノームがおかしいんじゃないか?」と言われている指定テンポに迫るものだ、ときけば、そりゃ行きたくもなりますって(笑)。

いやあ、速かったです。あそことか、あそことか、大丈夫なんだろうか?…と老婆心全開でしたが、さすが、快調に弾かれました。
とくに第4楽章が聴いていても分かりやすく、湧き水から始まった川が、さまざまな過程を経て大海に注ぎ込むような、一連のストーリーとして入ってきました。

後半、30、31、32番。
32番の彫琢と説得力が圧倒的でした。
冒頭から、力まないほんといい響きで、これまで少なくとも3回は聴いていますけど、最初からここまで聴き手として掴まれたことはなかったような。
2楽章のアリエッタは客席の方も微動だにせず、みなさん音に集中している気配がすごい。
例のジャズのスイング風の箇所(確か昨年テンポを遅くすることにされた)も馴染んできて、松本スタイルが完成されたなあ、という気がしました。
そして低音のうなり!(たぶん平行弦ではこうはいかない…)

32番が始まった時、「どんな手垢のついた曲でも、あたかも今生まれたばかりの曲を初演しているように弾くのは素晴らしいなことだ」というどこかで読んだ文が頭に浮かんで、まさにそんな不思議な感じを味わいました。「ベートーヴェンってこんな曲書いたんだ!なんてすごいんだ」って感想が浮かんできて、演奏がどうこうということを忘れていた、ということです。
終わった時は余韻を楽しみたくて拍手をしたくなかったけど、しないわけにもいかずシブシブ(笑)しましたが、最後のMCで、まさにそのようなことを言われていて、ちょっと驚いた次第。


そして3日後の23日(木)15時開演
「上里はな子・松本和将 デュオリサイタル」@プリモ芸術工房
に行ってまいりました。





シューマン: 子供の情景
ベートーヴェン: ヴァイオリンソナタ第10番
(休憩)
クライスラー: プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
リヒャルト・シュトラウス: ヴァイオリンソナタ

アンコール  美しきロスマリン

前夜、配信チケットを買っていたのですよ。
朝、洗濯をしながら、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンソナタ(庄司紗矢香&イタマール・ゴラン)を聴いていたんですが、
「これは、はな子さんの音に絶対合ってる曲だ!さぞ凄かろう」と思い、
家族には「ちょっと出かけてくる。帰りは6時前」と言い置いて、結局ライブに来ちゃいました。
リヒャルト・シュトラウス、期待通りでした!
2楽章の息の長い歌、
3楽章の、ローゼンカバリエとティル・オイレンシュピーゲルが混ざったような(笑)、噴き上げたりくすぐったりするような自在な音型と、艶やかで迫力ある演奏。これは楽しい。

「子供の情景」は、ここの空間とこのピアノにちょうど良い感じで、自分もいつかここ借りて弾いてみたいな…と思ったり。
ベートーヴェンの10番は、ピアノソナタでいうと第27番と第28番の間くらいの時期に書かれたものだと思いますが、いまだに私の中では不思議な曲。それだけにまたぜひ聴きたいです。
クライスラーの通称ミシミシは、これまでもはな子さんで聴いていますけれども、いつ聴いてもテンションと迫力に圧倒されます。

それにしても、
松本さんは月曜日に倉敷で、ベートーヴェンの29、30、31、32番を弾かれ、
はな子さんは前夜京都で、ラヴェルとシューベルトの四重奏曲を弾かれたばかり。
なんというタフなお二人!