ベートーヴェンばかりここ1ヶ月以上弾いてきて(まだそれが一部継続してはいるのだけれど)、ちょっと奏法が偏ってきた気もするので、
ひさしぶりにショパンエチュード再開してみました。
私は50歳以前に弾いたことがあるのは、10-4と革命だけで、
それもグタグタというか、ベロベロというか、弾いてるとかいうシロモノではなく、
「いやもうこれは趣味のおばさんの弾くものではないわ」と捨てました。
50の時に思うところあり、ひとりでボチボチ始めました。が、
…弾けたもんじゃない(笑)…
「エチュード講座」とかほぼ他人事(殴)。
でも、まあ音が並ぶだけでも、と思って数曲を順繰りにやってはいました。
ところが今回、ベートーヴェン漬けの生活を送り、久々に戻ってみたら....「なんとピアノ的で弾きやすい!」
弾きやすいって、別に自分が弾けるってことじゃないんですけど、あえての気合いとか(笑)、実験的な弾き方とかでいちいち「うわあ、うわあ」と思う必要がないというか、
「弾けさえすればそれだけで美しいよね」という部分で非常に救われる。
これまで私は「ピアノという楽器が好き」というより、
「自分が唯一そこそこ弾ける楽器であるピアノで、なにかを演奏したい」ということであって、
そこまでピアノという楽器の特性とか音色に、耳と心を傾けていたわけではなかったんですね。なので、どちらかというと、シンフォニーとか他の楽器の曲を多く書いている作曲家が好みでした。よって、エチュードも「テクニックのため」若干イヤイヤ。
「54にもなって、そこからかい?」という気がしないでもないですが、「ショパンエチュードやってみよう」というのは、今回のリサイタルの副産物のひとつです。
ほかには、体力というか持久力がついて、強打や連打、速い部分のあとでも簡単には疲れなくなったというのは大きいですね。
そういえば何人かの方から、「身体は大丈夫でしたか?故障とかはありませんでしたか?」とご心配いただきました。
たしかに最初の頃は、あちこち痛めそうになったり、爪が妙な剥がれ方したりしたんですが、
そこは長期戦なので、年に応じた負荷をじわじわじわじわかけて行き、幸いなことに、故障や心身のダメージは皆無でした。こればかりは、先生とも周囲の誰とも違う自分の身体なので、自分で計画立てるしかないです。
あと6年したら還暦なんですけどね、今からやることたくさんあって困ります。ただでさえ、前のめりな人間なのに(笑)。