随分昔だったように思うのですが
テレビドラマで「華岡青洲の妻」が放送されていました。
衝撃的な内容だったので配役は覚えていませんが
世界で初めて全身麻酔で手術を成功させた華岡青洲の妻が主役でした。
その華岡青洲の住まい兼診療所がある春林軒へやってきました。
麻酔がなかった頃の外科手術は想像を絶するような痛みで、術中にショック死する患者もいただろうし
外科医も暴れる患者でかなりのストレスだっただろうと思われます。
門下生に医術を教える場所ですが、華岡流で医学を学んだ門人の数も1861人にのぼるそうです。
ここは病室です。
初めて全身麻酔で手術したのは乳がんだったそうです。
華岡青洲は初めは動物実験で麻酔の効果を試していたのですが
安全性を確認した後には母親、妻を人体実験としたそうです。
その時の壮絶な苦しみはドラマでも印象的な場面でした。
華岡青洲が開発した麻酔薬は
通仙散(つうさんせん)と言って曼荼羅華(チョウセンアサガオ)と数種類の薬草を配合した物で
開発までに20年もかかったそうなんです。
上の写真の女性は母親「おつぎ」で
下の写真は妻「かえ」のようです。
かえは人体実験を行うときには暴れないように自ら手足を縛って実験台になったそうです。
私も1週間前に局所静脈麻酔のお世話になったり
下半身麻酔や全身麻酔にもお世話になりました。
全身麻酔は数を呼んでいる間に寝てしまい目が覚めると病室です。
術後の痛みはあるものの術中の痛みは全く有りません。麻酔のお陰です
この頃は麻酔が効くのに2時間かかり目が覚めるまでに6~8時間かかったそうなんです。
なぜ麻酔が効くのか今も完全に解明されていないそうですが、
医学の進歩の歴史にはこういった壮絶な戦いの中で生まれ育ったことは確かなように思います。