歪曲される情報を見る。

日本を馬鹿(馬鹿文系)が叩く、だが、それはどの程度正しいのか?非常に疑問である。

米国内でも違う核兵器の感覚

2012年07月06日 23時37分45秒 | 日記

1990年代半ばアメリカ陸軍が数百トン(7百トンか7万トン)TNT相当量の爆薬を使って「キノコ雲」を作る実験をした。

実際「キノコ雲」は出来たのだが、これを「成功」とは表明していなかった。その一方で、YouTubeにある核爆発の様子を見ると、こう言うと不味いのだろうが見事に綺麗な形の「キノコ雲」が出来ている。
それからすると通常爆薬を使った「キノコ雲」は不恰好だった。
何故こんな「爆薬の無駄遣い」をしたのであろうか?と私は考えたものだったが、どうも「核弾頭」は「戦術的に使用できる」と言う事を言いたかったのだろう。そして典型的な核爆発のイメージである「キノコ雲」を作ったのではないかと私は勝手にそう思った。
実は核兵器に関しての考え方はアメリカ政府、陸軍、海軍、空軍、海兵隊で異なるように思える。それは戦術的に考える陸軍的なものから戦略的に考えるアメリカ政府、海軍の側との差が大きい。
陸軍は朝鮮戦争の折にダグラスマッカーサーが再三、核兵器を使って局面を打開させてくれと訴え、その積み重ねで失脚したほど核兵器を使いたがると言う伝統がある。
その一方で核兵器を最終的に配備し、第一義的発射権を握っていたのが海軍とNORAD(北米防衛網)である。最終的に海軍の原潜が第一義的な立場がある。
漫画「勇午」でも出てきた「デイジー」こと戦術核弾頭砲弾は、アメリカ陸軍が核を使いたいと言う念願の後に作ったものであるが「勇午」では発射して爆発すると言うような事を言っていたが、あれは爆発しない。
戦術核弾頭砲弾は実は爆縮率が低く熱効率が滅茶苦茶悪い核弾頭で「フォーリングダウン(核降下物質)」が多い「汚い核」の最たるものである。とは言うが一番汚いのは水爆である。ただ脅しとしては、今でも汚い核としての効果は十分ある。
最初核兵器は飛行機で敵地に落す事を考えていたのだが、核兵器が水爆になると、その兵士に与える影響が「半端無く酷い」事が分かっていたので、空軍は核兵器を使うのに慎重さを認識するようになったと思われる。
その後核兵器は巡航ミサイルでも行けると言う事になり、その敷居が低くなった。空軍と同じく海軍も最初の頃の核弾頭の投下が出来る立場になり、当然、相当に兵士を危険にする恐れを持っていたようである。これら空軍、海軍、海兵隊は核兵器の慎重派である。それは政治的な感覚を持っている政府や核ミサイルを握っているNORADもそうである。
陸軍は一貫して核兵器を戦術的に扱う事を主張していた。
大体陸軍と言うのは「暴走する」傾向がある。また「野蛮な事」をやりたがる傾向にある。日本の陸軍も相当に癖が悪かったが、米軍も空軍や海軍に比べ海兵隊と陸軍の癖は悪かった。
さて核兵器は今はどうなのか?と言うと「水爆」は1993年からなくなっている。今ある核兵器はプルトニウム型の100キロトン程度の水爆の一万分の一程度のものしかないが、これでも長崎型の核兵器より強い。
ただ核兵器は核爆発するものばかりではない劣化ウラン弾として「放射性物質の発電にも使えないカス」を固めて使っている。
これはボスニア紛争で散々使われた。戦車砲弾だけではない、対地戦車弾丸としても使われている。ボスニア紛争のみならず湾岸戦争、イラク戦争、イランイラク戦争、アフガン侵攻でも使われた筈だ。
この問題は珍しく慶応の教授が出向いて調べていた。その時、劣化ウランを使っただけで、カメラに白い斑点が現れた。CCDが放射線を感知したのだ。
これら劣化ウラン弾を使うのは主に陸軍の兵器である。実は、この手の「ローインテンシティーニュークリアウォー(LINW)」(低集約度核兵器戦争)は既に一般に行われている。だが必ず放射線被爆問題が紛争の地で起きている。
このLINWでの一番の被害者は陸軍の地上部隊歩兵だ。その問題はイラク戦争で一部起きたが、さっさと隠蔽された。このLINWの問題で動いていたのがアメリカ陸軍放射線影響研究所のロッキ少佐である。彼は軍属でありながらイラク戦争やボスニア戦争の放射線の影響を訴えていた。
だが長崎や広島の連中は「ロッキ少佐」の名前を知る者は殆ど居ない。これが平和平和と鳴く虫たちの現状である。
最新の核被爆者はアメリカ陸軍の兵士であり、その家族である。
馬鹿が馬鹿面して平和を居丈高に叫ぶ。だが本当の問題は何も見えていない。