退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

朝令暮改

2022年10月20日 13時29分26秒 | ニュースより


『朝令暮改』の語源は中国の故事「漢書・食貨志」に出てくる言葉です。

<勤苦如此 尚復水旱之災 急政暴賦 賦斂不時 朝令而暮改>
【意味】
(農民の暮らしは)このように苦しいのに、その上、水害や干ばつにも見舞われ、必要以上の租税を課せられ、臨時に取り立てられて、朝に出された法律が夜には改められています。

紀元前180年頃の文帝に、臣下の1人晁錯(ちょうそ)が、このような上奏文を送ったそうです。


一般的にはネガティブな意味合いで使われますね。


今回も、先日の衆議院予算委員会で岸田総理が言った、解散命令を裁判所に請求する要件については『民法の不法行為は入らないとの解釈だ』という説明を、翌日の参議院予算委員会で『民法の不法行為も入りうる』と180度訂正したことで引き合いに出されているようです。

国のトップの発言が、こうもコロコロ変わるというのは、国の内外問わず信用に関わることでしょう。


正しい方向に変わった(臨機応変?)のは良いとも思えますが、要は細かな詰めが甘いと云うことでしょう。

総理の『個別の事案に鑑みて・・・』などという発言からも、そのことが知れそうです。


兎に角、法令違反の要件を細かく定めていない点が困る。

これは、「ケース・バイ・ケース」だと良くもとれるが、ある意味ではその時の政権が「法令を自由に解釈できる」という怖い状況を示すような気がする。

たとえば以前の長期政権では、 2014年7月1日、「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使はできない」という戦後60年余にわたる一貫した政府の憲法解釈を180度覆し、集団的自衛権の行使を容認する「閣議決定」を強行しました。
多くの憲法学者が「違憲」として指摘したにもかかわらずです。

 

そのことは、国葬のような国の行事を閣議決定だけで推し進めてしまうことを考えれば、今後もごく一部の人が見えない所で大きな舵を取るという危険性を広げる気がしてなりません。

その一部の人(リーダー)がまともならまだしも、現ロシアのように価値観が大きくズレている人がいると、その臨機応変に行使できる権力は暴力に繋がる危険性が発生しそうです。


何しろ今の選挙制度では国民の30%以下の支持でも国のリーダーになれるのですから。
(2017衆議院選挙投票率は53.68%、うち自民党得票率は48.4% 0.54×0.48≒0.26)


「法令違反の要件を細かく示す」ことは、その暴走を未然に防ぐことに繋がるでしょう。


今回は、撤回が早く示されました。(撤回とは言っていないようですが・・・)


以前、総理大臣が『無理を通せば道理引っ込む』を地で行ったことがありました。

総理が自分の云ったことを撤回しないために、公文書が偽装されたり廃棄されたりし、そのことにより官僚が自殺に追い込まれたことを考えれば、まだマシ?なのかも知れません。

「私や妻が関係していたら辞める」のあと記録廃棄

 

この朝令暮改が「まだマシ」と思えてしまう・・・。この現実に情けなさを感じてしまいました。