楊州周延の大作「千代田の大奥」は、三枚続きで大奥の正月から暮れまでの年中行事・催し事を描いた作品で、男性中心の「千代田の御表」と対をなす。
六回に分けて紹介する。
さざれ石
元旦二度目のご飯
お流れ
かるた
鏡餅曳き
追い羽根
節分
弓矢を手にする女性画像の多くは神話の女神、アルテミス、ダイアナで猟犬を連れた狩人の姿で描かれる。
ローマ神話名のダイアナの絵は過去にかなり沢山扱っているので、今回はアーチェリー関連として狩人姿のギリシャ神話名のアルテミスとして登場している。
三日月の髪飾りをつけていれば これはアルテミスまたはダイアナとして描かれたものに間違いない。
半裸・全裸で、弓矢を扱っていればほぼアルテミス。下中央はルノワールのアルテミス
モダンアルテミス。 右端は何でアルテミスなのか分らない。
下左端はTiziano の「アクテオンの死」
アルテミスの裸身を見たアクテオンは女神の怒りで鹿に変えられ、狩りたてられて殺されてしまう。
中と右のように通常の衣服姿で弓矢を持つ女性像は、アルテミス姿の貴族女性の肖像画であることが多い。 上四段目三枚もその類いかもしれない。