昨日の「秋の夕暮」の三夕をベースにした作品は他にもあるのだがほとんどが不揃いである。
似通ったものが多いが、あえて並べてみよう。
新古今集「三夕」
心無き身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮 西行
寂しさはその色としもなかりけり 真木立つ山の秋の夕暮 寂連
見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫家の秋の夕暮 定家
寂連は百人一首の「村雨の露もまだ干ぬ槇の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮」が有名でこちらと誤る人も多い。
◎ 鈴木春信 見立三夕
西行と定家のみ。三枚目は寂連だがこれは明らかに別バージョン
鈴木春信の一枚ものの「見立て三夕」 左から西行・寂連・定家で、背後の景色に歌の内容が示されている。
◎ 葛飾北斎の西行と寂連
◎ 勝川春章 西行・寂連
◎ 駒井義信 西行・定家
◎ 磯田湖龍斎 西行・寂連
三枚目は別の「風流多賀袖三夕」の寂連だが、袖に描かれた歌は「村雨の」である。
◎ 二代目歌川国貞
「風柳月三夕」というタイトルであるが本来の「三夕」とは直接関係なさそうである
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