タイトルの■には「女偏+美」という文字が入る。ブログなどでは書き表せない文字だが、音はビ、文字通り美人を意味するれっきとした正字である。
さて「百匠一ビ」なる語は、かの定家卿の「百人一首」を模した私の造語で、即ち「百人の画家の作品の中から、それぞれ一点の美女の絵を独断で選び集めたもの」の意である。
数知れない西欧古今の画家からまず百人を選ばなければならないのだが、これだけでも大変なことである。本来ならその道に通暁した専門家のやるようなことで、とうてい私ごとき者に出来る業ではない。
しかしここはあくまで遊びということで利用させてもらったのが、いつぞやブグローの豆本で述べた「ARC」という美術サイトのアクセス数を集約した人気ランキングリストである。このランクは一般の人の好みから来ているのだろうから、美術関係専門家の評価による画家の芸術性の優劣を表しているわけではない。だからダヴィンチが8位だからといったところで問題はないはずである。
ともかくこの225人の画家・彫刻家のリストから風景画家や女性像の作品の出てこない人を除くと150人になり、その上位100人の描いた美人画100点からなるのが、この豆本なのである。
このあとそれぞれの画家から一点の作品を選び出すので、良くも悪くもたった一点しかないものは簡単だが、前回・前々回のゴッドワードやロセッティのように沢山の美女がずらり勢揃いすると大変である。ともかく楽しく悩みながら作り上げたのが今回の作品である。豆本という制約からある程度の基準として縦長・上半身・着衣、生身の女性を主とし、女神や聖女のような超人格やヌードは避けるようにした。例えばボッテチェリの「ヴィーナスの誕生」は対象外ということである。もちろん写真の左ページのようなやむをえない例外は沢山ある。
適当に抜き出した9枚(本当は全部載せたいところ)の絵は掲示のためトリミングしたものもあるが、上左は第2位のアルマ・タデマのギリシャ美女、ゴヤ・ルノアールの大画家の他、下右ダイアナ妃はシャンクスという画家のものである。
こうしてとりあえず「百匠一ビ」は出来たのだが、残った50人やその他にも著名な画家や素敵な女性像は沢山あるので後日続編を作るつもりではある。