現今では煙草はすっかり、悪者、憎まれ者扱いになってしまったが、かつての大手を振って世の中に存在感を示していたころのポスターである。勿論ここでは煙草の宣伝が目的ではなく、煙草を小道具にした女性を観るのが狙いですから、念のため。
現今では煙草はすっかり、悪者、憎まれ者扱いになってしまったが、かつての大手を振って世の中に存在感を示していたころのポスターである。勿論ここでは煙草の宣伝が目的ではなく、煙草を小道具にした女性を観るのが狙いですから、念のため。
洋髪・和服の女性
バイオリンの娘さん、こんな振り袖で、「パガニーニの奇想曲」なんて大丈夫なのかなぁ・・・
「ヘンデルのラールゴ」、・・・それなら納得。
高畠華宵作品はまだたくさんありますので、間をおいてまた紹介します。
華宵の美人画には下のように、「日本髪・和服」、「洋髪・和服」、「洋髪・洋服」、「その他」とあるのだが、個人的な好みからいえばやはり日本髪が一番見どころがあるように思える。
今日ははその「日本髪編」の中から・・・
右から左に春夏秋冬と四季の景色になっている。
右
左
春 中央上二人は宮中女官と貴族階級の女性
夏
秋
冬 中央のバスガールの制服姿は昭和前期の女性の憧れの的だったそうな。
今週は大正期から昭和前期にかけて美人画を中心に人気のあった高畠華宵の展示。
私はこの画家の豆本をすでに二冊作成しているが、その後も更に二冊分程の作品が集まってきている。
高畠華宵と言えば和装の美人ということなのだが、暑い盛りでもあり、水着の乙女たちから。
二段目のブグロー作品は「Meditation 瞑想」となっているが、これまた一連のものとしていいのではないか。
ただ「白昼夢」「遥けき想い」「瞑想」といった日本語にするとそれぞれニュアンスは異なっていよう。
「白昼夢」は非現実的・幻想的な想い、「瞑想」なると理性的・哲学的な思い、その中間的な感覚の思いが「遥かなる思い」といったところでどうだろうか。
William Anstey Dolland 五点
William Adolphe Bouguereau ・ Eugene de Blaas ・ Carl Christian Vogel von Vogelstein
Leonard Campbell Taylor ・ Delphin Enjolras ・ Balbir Singh
Wilhelm Amberg ・ Ferdinand Heilbuth ・ Augustus Jules Bouvier
Joe Scottland ・ Hilda Gleizer Rindom ・ ?
さらに似たようなテーマの作品に「 Deep Thought 」というタイトルも見受けられる。
John William Godward 二点
Herbert Sidney Percy ・ John N. Mcghie ・ Daniel R Knight
Wilhelm August Lebrecht Amberg ・ Julius Leblanc Stewart ・ Charles Courtney Curran
Pierre Jan van der Oudera ・ Tang Wei Min ・ Raja Ravi Verma
Berthe Morisot ・ Raja Ravi Varma ・ Morgan Weistling
Eastman Johnson ・ Charles West Cope ・ John George Brown
William Henry Midwood ・ Herbert Sidney Percy ・ Charles Sillem Lidderdale
Sir Lawrence Alma-Tadema
「遥かな想い」がすべて「異性に対する恋」というわけではない。「異性に対する」などと特に断ったのは、もともと「恋う」は「乞う」と同じく、身近・手元にあるべきものが無い、欲するけれど簡単には入手出来ないようなものを求める気持ちを表しているようだ。「無いものねだり」というと、身に不相応なものをむやみに欲しがる意味になって、それとは当然異なる。したがって「恋う」の対象は異性とは限らず思い出の場所、出来事など様々な内容で差し支えないわけである。亡くなった母を恋う、遠くの故郷を恋う、など。
そしてどちらかというと、それを求めて積極的に他へ働きかける行動が「乞う」「請う」で、消極的に内に籠る形が「恋う」ではなかろうか。
万葉集に「恋」を「孤悲」という万葉仮名で表現している例があるが、「悲」には「恋しがる」という意味も有るし、いかにも一人想いに沈む様を適切に示していて、「Distant Thoughts」の和訳にも使えそうだ。
Karoly Mozer ・ Fernand Toussaint ・ Pierre Oliver Joseph Coomans
Eiler (Carl) Sorensen ・ Wilhelm Amberg ・ Abbott Fuller Graves
Christine Mitzuk ・ Henry John-Yeend King ・ John William Godward
Sophie Anderson ・ Janet Fisher
この「Distant Thoughts 」というテーマは過去に扱っており、その時は40作品ほどの掲載であった。
また昨日に言及しそこなったのだが、この「Distant Thoughts 」は「Far away Thoughts 」というタイトルも使われ、むしろこちらのタイトルの方が数が多いのではないかと思われる。
とにかく両方のタイトルを中心に「白日夢」なども含め、その後100点近く集まっており、中身はすべて入れ替わっている。
Eugene de Blaas 三点
Albert Lynch 三点
Fritz Zuber Buhler ・ Sophie Anderson ・ Wilhelm August Lebrecht Amberg
Ernest Walbourn ・ ?
女性が物思いに沈む姿を描いた「遥かなる思い」というタイトルの絵画をよく見かける。「遥か」とは空間的な距離の遠さだけではなく、、これまでの過去やこれからの未来の長い時間、その両方と様々であろうし、その対象も「恋人」とは限らず人以外の出来事とか場所など多様であろう。逆に同じような絵でも「失われし思い」とか「瞑想」「白昼夢」などと別なタイトルになっている。
ただ、この思いの対象が「遠くの恋人」とするのが一番美しさを感ずるのではなかろうか。
様々な理由で逢うことがかなわない悲しみや憧れは、絵ばかりではなく詩歌として、更に音楽としても扱われている。
伊勢物語の著名な「わが想ふ人はありやなしやと」と都鳥に問う段、ベートーベンの歌曲「遠くの恋人に寄す」など。
Rogelio de Eusquiza ・ Marcus Stone ・ Aaron Westerberg
Eugene Grasset 二点
Henry Bacon 三点