下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

続パンチ

2007-02-02 23:20:09 | パンのパレット

パンチの話がカンカンで終わってしまいましたので、
続パンチです。
ミキシング終了後に生地は醗酵を開始しますが、
醗酵の炭酸ガスで膨らんだ生地を折ったり隅を巻き込んだりと
方法や強弱は色々とありますが、パンチをガス抜きとも言うように
ガスが抜けて生地はシマッタ感じになります。
その後、新たに力強く醗酵が始まり、グルテンも強くなりますし
柔かいだけでないコシのある食感になります。
当然、醗酵時間も長くなりますし、醗酵状態を見極める回数も
増えますから次のタイミングを誤るとデキに大きな影響が出ます。
醗酵時間が長くなれば生地の熟成が進み風味も増しますが、
最近では仕込みの前に既に元種を作る作業も入りますから
ミキシングの遥か前に仕込みは始っているのだと思います。
ソコに各店の創意工夫があり、各店独自の風味に繋がる
のだと考えています。
でもパンチをしない比較的短時間に作業を進める
パンにも各店が創意工夫を込めているのは当然ですね。
例えばベーグルの断面を
ベーグルをこよなく愛するページで見ると
http://naosbagel.blog42.fc2.com/
一見同じようなベーグルでも断面の気泡の一番細かいものと
大きなものではかなり違うように思います。
醗酵時間、醗酵の強弱、成形時の力かげん等々・・・
断面を見ながら僕はアレコレと作り手の想いを想像してみます。
何故そうしたのかをメリット、デメリットも考えながら
コロンボよろしく推理してみるのです。
食べる人に作り手は何を伝えたかったのだろう?と・・・

「パンチ」も「続パンチ」も途中から脱線してしまいましたが、
人の転機も人生のパンチみたいだと思う時があります。
受験も恋愛も就職も、願い叶ってもそうでなくても
新たな醗酵が始るタイミングなんだと思います。
ある都市のマラソン大会では完走者全員に金メダルを
渡すそうです。人と比べる記録に対してではなく、
参加者一人一人の個人に対する完走を称えて。