Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

変化を拒む

2006年11月16日 | Weblog
今日,教壇で学び自分が変化することを「拒む」教育実習生が少しずつ増えているように思われてならない。全国に散らばる友人に聞いても同じような感想を持つ者が少なくない。決して変化することを「恐れている」のではない。そんな不安に揺れた様子には思えない。自信満々堂々と変化を拒絶するのである。

実習中は当然,授業を行うための学習指導案を事前に作成し,授業としてどのような点が適切でどのような点が不適切であるか,何をどのように改善すべきかの指導を受ける。授業後には,実際に行った授業についての指導を同様の観点で受ける。そう,このように指導を受けて自分の気づかなかった点に気づかせてもらい教員としての適切な視点と方法を獲得し増やしていくこと,つまり教員の卵としてよりよく変化するのが教育実習の主眼だ。

ところが,実習生が計画したり行ったりしたことを「すばらしい」と誉めているうちはよいものの,授業内容に対して不備を指摘したり修正を指示したりすると,状況が一変することがある。「あの先生はどうも私のことを嫌っているらしい」「私の考えを認めてくれなかった」「自分を否定された」と不満を持ち,校長や大学に苦情を申し立てる若者がいるというのだ。

実習受入校のベテラン教員たちは,このような一部の実習生の変化に戸惑いを隠せない。教材研究の不足や学習指導の不備,教材解釈の間違いなどを指摘すると,なぜかそれが実習生の人格否定をしたとすり替わって受け取られているためだ。ひどいケースでは,実習指導が,学生の評価を行う指導教員という「強い立場」からの指導であるとの構図で語られ,いつの間にか「立場を利用した指導の強要」の行為者に仕立て上げられてしまうことさえあるという。

教育実習生諸君よ,教育実習はあなたに合わせて学校や教員が変化する場ではない。あなた自身が教員になるために謙虚に変化する場だ。今変化しなくていつ変化するのだ。いい加減に目を覚まさないか。大人にならないか。
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