Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

原爆76忌

2021年08月06日 | 戒めの言葉
あの日から三四半世紀をすぎ,今年はヒロシマが七十六年目の朝を迎えた。毎年のことだが,過去の文章を使い追記する。

広島大学名誉教授の小笠原道雄先生によると,「『75年は草木も生えぬ』という言説は、原爆製造計画である所謂「マンハッタン計画」(Manhattan Project)に関わったハロルド・ジェイコブソン(H.Jacobson)博士の談話として1945年8月8日付けの<ワシントンポスト(The washinton post)>紙上に掲載されたもの」ということだ。

[Link(PDF): 小笠原道雄 「『75年は草木も生えぬ』という言説から ― 原子力破局の時代における教育学の課題 ―」]

大国の思惑によって,当時の広島市の人口35万人(推定)のうち9万 - 16万6千人が被爆から2 - 4か月以内に死亡・戦死し,原爆投下後の入所被爆者も含め56万人が被爆したとされる。

[Link(Wikipedia):広島市への原子爆弾投下

私自身は戦後の大阪市生まれでヒロシマの惨禍を直接は経験していない.。しかし,40年くらい前に広島大学の学生だったあの日,「平和教育」という講義で藤井敏彦先生に問われた。

「君たちは原爆死没者慰霊碑の碑文は誰がつくったものか知っているか。ヒロシマに学ぶ学生として世界の人たちに平和を伝えるとき,碑文をどう英語で伝えるか。」

全く答えられなかった。当時の浜井信三広島市長の要請によって碑文文案を執筆したのは雑賀忠義広島大学教授,英訳は次の通りだそうだ。

Let all the souls here rest in peace; for we shall not repeat the evil.

そして今年は,核兵器について大きな動きのあった年。2017年7月7日に国際連合総会で核兵器禁止条約が採択され,2021年1月22日に発効された初めての原爆忌だ。

[Link(Wikipedia):核兵器禁止条約

残念ながら我が国は世界唯一の被爆国でありながら,この批准国に名を連ねていない。

今朝の広島市長による平和宣言では核兵器禁止条約への批准を国に求めていた。しかし菅内閣総理大臣はあいさつでこれに触れなかった。

現状はなかなか厳しいと言わざるを得ないが,広島市民として,日本国民として,地球に生きるひとりの人間として,これを求め続ける必要がある。

76年前と同じように朝から照りつける日差しが眩しく暑い。今日は鎮まりし者たちへの祈りの日。

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